目次
序章 問題の所在
第I部 都市住民―王権関係と都市をめぐる諸権力
第1章 ポワチエにおける王権のコミューヌ政策と都市内諸権力
はじめに
第1節 ポワチエのコミューヌ設立と王権による認可
(1) フィリップ=オーギュストによる征服(1204年)以前
(2) フィリップ=オーギュストによる征服以降
第2節 ルーアン文書とポワチエ文書 系譜関係の分析
(1) ルーアンからポワチエへの文書の伝播
(2) ポワチエの1222年文書における改変
(3) 改変の背景と要因
おわりに
第2章 13世紀ポワチエにおける王権・都市民・在地領主
はじめに
第1節 ポワチエの教会領主と都市内支配領域
(1) 「シテ」と「ブール」
(2) サン=ティレール参事会教会とモンティエルヌフ修道院の都市内財産
第2節 13世紀半ばのポワチエにおける王権・都市民・在地領主
(1) ポワチエ都市内の教会領主支配領域に関する紛争
(2) 13世紀中葉のポワチエにおける教会領主支配領域の独立性について
(3) コミューヌの徴税権をめぐって
おわりに
第3章 都市―王権関係と在地領主層
はじめに
第1節 シャトオヌフ=レ=トゥールのコミューヌ運動とカペー王権
(1) シャトオヌフのコミューヌ運動
(2) コミューヌ運動失敗の理由 住民の側
(3) コミューヌ廃止の理由 王権の側
第2節 ポワトゥーの在地領主権力とラ=ロシェル都市民
(1) ラ=ロシェル都市民の危機感 都市民の密告状をめぐって
(2) 13世紀のポワトゥー・サントンジュをめぐる政治情勢と都市民の危機感
おわりに
第4章 伯=王権の援助金要求とポワトゥー諸都市
13 世紀ポワトゥー地方における『良き都市』をめぐって
はじめに
第1節 援助金をめぐる議論
第2節 都市への援助金要求とその交渉
(1) 伯の使者と都市代表の間の交渉
(2) 「自発的援助金」か「2倍貢租」か
おわりに
第5章 ポワチエにおけるコミューヌ権力の拡大過程
はじめに
第1節 「ポワチエのコミューヌ随行要員一覧」(1324年)とコミューヌの意図
(1) 1329年の援助金徴収における混乱
(2) 1324年の「ポワチエのコミューヌ随行要員一覧」の意義
第2節 1337年の援助金分担者リスト
おわりに
第6章 ポワチエ流通税表の分析
はじめに
第1節 流通税表に関する最近の研究動向 デスピイ学派の業績を中心に
(1) 史料批判
(2) 流通税と商品流通の実態
第2節 ポワチエ流通税表の史料的性格
(1) 物的体裁と刊本
(2) 伝来形態と史料的特長
(3) 作成主体と史料的制約
(4) 複層性と妥当期間
第3節 流通税表の分析
(1) TPに現れる流通税の諸形態
(2) TPに現れる商品流通
おわりに
第7章 大西洋ワイン商業の繁栄と都市
はじめに
第1節 大西洋ワイン商業の展開
第2節 都市周辺農村の経済活動と都市―王権関係
(1) ポワトゥー南部におけるぶどう栽培をめぐって
(2) ラ=ロシェル周辺農村のぶどう栽培への特化と都市―王権関係
第3節 ラ=ロシェルの都市内ワイン商業
おわりに
第8章 都市民の市場運営参加と伯=王権
はじめに
第1節 ポワチエにおける商業活動と都市有力市民家系
(1) ポワチエにおける市と流通統制権
(2) ポワチエ有力市民家系と商業活動
第2節 ニオールにおける市場移転と都市民
(1) 史料 ニオール都市民から伯への嘆願状
(2) ニオールの市場と都市民
おわりに
第9章 ラ=ロシェルの都市内商業と伯=王権
はじめに
第1節 伯アルフォンスの伯取引所の建設とその廃止
(1) 伯取引所に関する伝来史料
(2) 『なぜ商人たちは伯取引所に来ないのか』
第2節 伯取引所廃止の背景
(1) 『都市民自身の商業施設』とは
(2) ラ=ロシェルの都市内商業と伯権
おわりに
結章
巻末史料
史料・文献目録
あとがき
索引