中国初期青銅器文化の研究

著者名
宮本一夫・白 雲翔 編
価格
定価 6,820円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ISBN
978-4-87378-984-2
仕様
B5判 上製 294頁 C3022
発行年
2009年2月
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内容紹介

 本書は,九州大学考古学研究室と中国社会科学院考古研究所が行った共同研究の成果による。二里頭文化以前の中原や黄河下流域の初期青銅器のほとんどが,詳細な図面と写真で示されている。また,青銅器の始まりから商代に至る青銅器の変遷を鋳造技術の変化によって考察し,さらに青銅器生産遺構や精製土器の分析などを通じ,夏王朝から商王朝への移行期を総合的に復元した画期的な研究書である。

目次

  日中共同研究「中国初期青銅器文化の研究」を行うにあたって   ・・・・ 宮本一夫
第1章 中国古代初期銅器と青銅起源に関する諸問題 ・・・・・・・・ 白 雲翔
  1 はじめに
  2 初期銅器の発見・研究史の回顧
  3 初期銅器の類型と特徴
  4 中国初期銅器と青銅器起源の問題についての考察
第2章 陶寺文化と二里頭文化の銅鈴 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 宮本一夫
  1 はじめに
  2 陶寺文化の銅鈴
  3 二里頭文化の銅鈴
  4 まとめ
第3章 青銅彝器の製作技術から見た
      二里頭文化から二里岡文化への変遷
・・・・・・・・・・・・・ 宮本一夫
  1 はじめに
  2 二里頭青銅彝器の製作技術に関する問題点
  3 二里頭文化期の青銅彝器の変遷
  4 青銅鋳造技術の変遷
  5 二里頭文化から二里岡文化への変遷に関する問題
  6 おわりに
第4章 二里頭遺跡における青銅器生産体制 ・・・・・・・・・・・・・・・ 田尻義了
  1 はじめに
  2 本章の分析対象と方法
  3 二里頭遺跡出土鋳造関連遺物の実態
  4 二里頭遺跡における青銅器生産と緑松石加工について
  5 骨製品から見た製作工具の分析
  6 二里頭遺跡における青銅器生産体制の評価
第5章 二里頭遺跡文化分期再検討
        墓地出土の銅,玉礼器を中心に   ・・・・・・・・・・・・・・ 許 宏・趙 海濤
  1 はじめに
  2 二里頭遺跡分期に関する研究史
  3 分期概念に関する若干の分析
  4 銅,玉礼器出土墓葬をもとにした分期の検討
  5 銅,玉礼器の年代に関する若干の討論
第6章 青銅鼎の出現時期とその背景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 村野正景
  1 はじめに
  2 先行研究の概括と問題の所在
  3 分 析
  4 考 察  銅器化の背景  
  5 まとめ
第7章 威信財から見た二里頭文化の地域間関係 ・・・・・・・・・・ 徳留大輔
  1 はじめに
  2 研究史および問題の所在
  3 資料と方法
  4 時間軸の設定
  5 各時期の様相
  6 A群精製土器の製作体制に見る二里頭遺跡と各遺跡・地区との関係
  7 A群精製土器の各遺跡・地区(小様式圏)での位置づけ
  8 考 察
  9 まとめ
第8章 二里頭文化青銅器および関連青銅器集成
         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 宮本一夫・田尻義了・徳留大輔
  1 調査の経過
  2 資料内容
  3 まとめ
結 語  中国初期青銅器文化の成立と展開   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 宮本一夫
  1 はじめに
  2 中国初期青銅器文化の成立
  3 二里頭文化と青銅器生産
  4 商王朝の出現と青銅彝器
  5 まとめ

  図 版
  中文要旨
  英文要旨
  文 献
  あとがき ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 宮本一夫
  索 引

著者紹介

許  宏(きょ・こう) 中国社会科学院考古研究所研究員
田尻義了(たじり・よしのり) 九州大学埋蔵文化財調査室研究員
趙 海濤(ちょう・かいとう) 中国社会科学院考古研究所助理研究員
徳留大輔(とくとめ・だいすけ) 山口県立萩美術館・浦上記念館学芸員
丹羽崇史(にわ・たかふみ) 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所研究員
白 雲翔(はく・うんしょう) 中国社会科学院考古研究所副所長
宮本一夫(みやもと・かずお) 九州大学大学院人文科学研究院教授
村野正景(むらの・まさかげ) 九州大学大学院比較社会文化学府博士課程

学術図書刊行助成

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