フラメンカ物語

著者名
中内克昌 訳
価格
定価 4,180円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ISBN
978-4-7985-0053-9
仕様
A5判 上製 232頁 C1097
発行年
2011年10月
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内容紹介

「フラメンカ物語」は13世紀フランス中南部地方の方言であるオック語で書かれた作者不詳の韻文風俗物語であり,現存する中世オック語作品群のうちでも資料的価値・文学的価値ともに「文句なしの一級品」である。フランス南部カルカソンヌの市立図書館に残る唯一の写本をもとに訳出された八千余行にわたる詩句の厳密な考証と分析に基づいた訳文は,一般の読者にも親しみやすい現代語訳となっており,きわめて明解である。

美しきフラメンカを娶ったブルボンの領主アルシャンボーは,その結婚披露宴での些細な出来事から嫉妬に駆られ,彼女を他の男の目にふれさせまいと塔に閉じ込める。それまで恋愛の試練にさらされたことのない異国の若い騎士ギヨーム・ド・ヌヴェールは,その話を聞き彼女を愛そうと心に決め,《愛の神》の導きによりブルボンへ赴く。助修士に扮したギヨームとフラメンカの教会でのやりとり,地下道を通っての密会を通じ,ふたりは愛を深めてゆく。多彩な登場人物たちの心の動きの描写を通じて展開される華麗な物語。

目次

 まえがき
 
I.   ヌムールでの結婚式、ブルボンでの大宴会
 
II.  嫉妬
 
III. 騎士ギヨーム、愛の神に誘われ
 
IV. 聖職志願
 
V.  《ああ!》から《あなたさまへの》まで
 
VI. 《あなたさまへの》から《喜んで》まで
 
VII. 《喜んで》から初の密会まで
 
VIII. 愛の続き
 
IX.  出立と騎士としてのギヨーム
 
X.   準備と歓迎の集い
 
XI.  ブルボンでの馬上(槍)試合
 
 訳注
 
 解説
 
 参考文献

著者紹介

中内克昌(なかうち かつまさ)
1928年,福岡県に生まれる。1953年,大阪外国語大学フランス語学科卒業。1957年,九州大学大学院文学研究科修士課程修了。以後約10年間,フランス系酸素会社,在日フランス大使館で実務(翻訳担当)に携わる。1969年から35年間福岡大学に在職。同大学名誉教授。
著書:『アキテーヌ公 ギヨーム九世  最古のトルバドゥールの人と作品  』九州大学出版会,2009年

学術図書刊行助成

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