内容紹介
1642年、シェイクスピアの没後30年足らずで勃発した内乱(清教徒革命)によってイギリスにおける商業演劇の伝統は断絶した。それから18年を経て、王政復古を機に再開した劇場では内乱期以前とはまったく異質な演劇が、まったく異質な嗜好を持った観客たちのために上演されるようになる。それまで存在しなかった職業的女優が舞台に登場するようになったのもこの時期のことだった。
英文学史上最も悪名高いネイハム・テイトによるハッピーエンド版『リア王』に加え、コリー・シバーによる『リチャード三世』の改作版、ジョン・レイシーによる『じゃじゃ馬馴らし』の改作『スコットランド人ソーニィ』、ジョージ・グランヴィルによる『ヴェニスの商人』の改作『ヴェニスのユダヤ人』を収録。王政復古期シェイクスピア改作戯曲の代表作の本邦初訳に詳細な解説を付した。