イギリスの口承物語歌「バラッド」は18世紀になって盛んに蒐集されるようになった。それとともに民族の遺産としてのバラッドの持つ魅力に多くの詩人たちが注目するようになり,「バラッド詩」と呼ばれる独特の模倣詩が生まれた。本書は,生成期の18世紀バラッド詩の模倣と逸脱をめぐるわが国最初の本格的な論考であり,Appendixに添えた ‘Poets on the Ballad’ は,今後のバラッド詩研究を支える重要な資料集である。
目次
1 Deviations from Tradition 2 The Vogue for Sentimentality 3 Roads to the High Romantic Appendix 1 Texts of Traditional and Literary Ballads Appendix 2 Poets on the Ballad Appendix 3 List of Literary Ballads