内容紹介
文学部の学生が専門の勉強に入る前に,あるいは専門の勉強と平行して,文学部の多様な学問領域の対象や方法を概観し,それらの根底をなす人文学的精神に触れ得るような,専門分野の枠を越えた文学部共通の教育ができないだろうか。
九州大学,東北大学,金沢大学,名古屋大学,神戸大学の各文学部が協力して取り組んだ「文学部の学部共通教育に関する研究・開発プロジェクト」の成果として,「文字をよむ」,「ファンタジーの世界」の2冊の教科書を刊行した。
本書「ファンタジーの世界」では,「現実の感覚に起源を持ちつつ心の中に引き起こされる運動で,欲求や思案の契機となるもの」とされる「ファンタジー」に,文学部の様々な学問分野から光をあてている。そうすることにより,それぞれの分野の特色,方法論などについてパノラマ的視野を獲得する手助けとなろう。