内容紹介
インド六派哲学の雄にして,伝統バラモン教学の最難関たる聖典解釈学ミーマーンサー。その本質を解き明かす世界でも数少ない本格的研究書。タミルナードゥ州の伝統的学者に長く師事した新進気鋭の研究者による祭式行為論研究。第一章の序論に詳細なミーマーンサー研究史を付す。先行研究概観,シャバラとクマーリラの年代論・先行研究を詳述。散逸したクマーリラの『ブリハットティーカー』についても先行研究と関連資料を網羅。第二章の思想史研究ではバーダリからクマーリラに至るミーマーンサー学派の行為概念の発展史を詳細に跡付ける。第三章の補遺ではバーヴァナー論を論じるシャバラ註・クマーリラ復註の構成意図を分析し,最後にミーマーンサー諸論師の年代仮説を提示。これまでのミーマーンサー研究をカヴァーする詳細な参考文献リストと関連用語を検索するための懇切丁寧な索引も完備する。インド哲学研究者・仏教論理学研究者に最良の手引書。