目次
第I部 ケア論の射程
第一章 ケアとは
日本における「ケア」の用法史/ケア概念の展開/日本のケア論のソース
ブック/ケアの意味/ケア論の分類
第二章 日本思想におけるケアの概念――神の観念を中心として――
日本文化を理解するキーワード―ケアとの類似――/日本における神の
観念/日本的な霊の本性としてのケアへの欲求/政治・宗教
第三章 安楽死について――日本的死生観から問い直す――
安楽死と尊厳死の概念/これまでなされてきた議論/安楽死と日本的伝統
第三章補論 治療義務・医学的無益性・自己決定・患者の最善の利益
第II部 生命と環境の倫理
第四章 自然・他者・環境
ホッブズ、ロック:自己保存と種の保存/価値のまぎれ/生命中心主義へ
の批判/環境の人工化の光と影/環境と人工物環境/自然権の新しい解釈
とケアへの移行
第五章 生命と環境の倫理――ケアによる統合の可能性――
生命倫理と環境倫理の統合を考える必要性/キー概念としてのケア/ケア
と権利/生命・環境倫理の統合へ向けて
第六章 デジタルとバイオ――機械・生命・尊厳――
デジタルテクノロジーとバイオテクノロジー/生命の世界と機械の世界/
遺伝子時代の「尊厳」概念