内容紹介
教育改革が進行したこの四半世紀,学校建築は充実し,華やかで夢のある建物が増えてきた。その一方,教師の立場は大きく変化し,批判を浴びることも多くなった。改革と雑用に振り回され,疲労困憊の教師もみられる。
学校という空間にあって,本来,生徒とともに主役であるはずの教師の空間はどうあるべきなのか。
30年余りの教師生活から研究者に転じた筆者が,中学校の職員室を研究テーマに取り上げ,今日に至る学校建築計画論を実証的に検証した渾身の書である。学校現場で直接苦労を経験した者のみが迫りうる視点と切り口は,建築計画に大きな一石を投じる。学校建築関係者には,必読の書である。
また,精緻な教師行動と空間をめぐる事例分析は,教師の生態学や組織論でもあり,教育関係者にも貴重な知見を提供する。