内容紹介
世界は鉱物資源問題(枯渇問題・環境汚染問題・利害対立問題)をどう解決していくのか、その中で日本が果たすべき役割は何か。また、ほとんどの鉱物資源を輸入に依存する日本は、それらをどのように確保していけばよいのか。本書は日本に対し、問題解決のための6つの事業の実施を提案するものである。
・南太平洋諸国の排他的経済水域で深海底鉱物資源の商業的生産を行う
・ボーキサイトやラテライトから鉄を回収する技術を開発し、その技術を
熱帯・亜熱帯の開発途上国に移転する
・環境ODAの実施を通じて日本企業の海外投資を後押し、同時に相手国
企業の環境汚染防止技術レベルを日本並みに近づける
・CO2を発生させない製鉄法、「鉄硫化物原料化」法を開発し、世界に、
とくに開発途上国に普及させる
・開発途上国に深海底鉱物資源調査の技術協力(ODA)を売り込む
・日本の国内製錬業を海外へシフトする
これらの事業のうちのいくつかは革新的というにふさわしい夢のような事業で、ハードルはやや高いが、日本なら手の届く範囲にある。これらの事業は日本の将来への投資でありかつ相手国のためにもなり、パリ協定および持続可能な開発目標SDGsで日本が求められた目標の達成に大きな貢献が期待できよう。