ヒトの一生の生理学 生から死まで

著者名
富田忠雄・長 琢朗・瓦林達比古
価格
定価 3,520円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ISBN
978-4-7985-0042-3
仕様
B5判 並製 152頁 C3047
発行年
2011年2月
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内容紹介

私達が生まれ,発育し,成長し,次世代に遺伝子を伝え,次第に老化して死を迎える過程を出来るだけ生理学的な見地から述べている。遺伝子の情報をもとに,個体が発生してくる分子生物学的メカニズムから成人病関係の病態生理までを含んだ参考書的内容である。最近,各領域で専門化が進んでいて,他領域の知識が軽薄になって来ている傾向があるので,「ヒトの一生」について幅広く考えるのに役立てられることを期待している。

目次

はじめに
緒言
 
I 胚子(embryo)の発生
  1.自己の複製(種族の維持)
  2.遺伝情報
  3.体細胞の分裂
  4.生殖細胞の形成(減数分裂 meiosis)
  5.受精後の変化
  6.胚盤胞(blastocyst)の形成
  7.着床(implantation)
  8.胎盤(placenta)の形成
  9.胚子期(embryonic period)の臓器形成
  10.脊索(notochord)の形成
  11.体軸の形成
  12.原腸胚の形成(gastrulation)
  13.循環系の形成
  14.神経胚形成(neurulation)
  15.細胞死(アポトーシス apoptosis)
  16.自己と免疫系
 
II 胎児の発育
  1.妊娠週数
  2.胎児(受精後第9週以降)の発育
  3.循環系の発育
  4.造血機構
  5.羊水
  6.消化器系
  7.呼吸器系
  8.泌尿器(腎臓)
  9.内分泌系
  10.生殖器
  11.骨形成
  12.骨格筋
  13.神経系
 
III 分娩(出産 parturition)および哺乳
  1.分娩の開始
  2.分娩経過
  3.胎盤?離(placental separation)
  4.産褥(puerperium)
  5.哺乳(授乳 lactation)
 
IV 生後の発育
  1.発育の過程
  2.発育の特徴
  3.新生児期の代謝
  4.体温
  5.出産後の心肺機能の変化
  6.血液
  7.腎臓機能
  8.内分泌系
  9.中枢神経系
  10.睡眠
  11.感覚機能
  12.運動機能
 
V 思春期(puberty)
  1.内分泌系の変化
  2.体形の変化
  3.骨の成長およびリモデリング
  4.骨格筋の発達
 
VI 性行動および妊娠
  1.本能
  2.卵子および卵胞形成
  3.女性の性周期
  4.月経周期
  5.排卵
  6.黄体形成
  7.精子形成
  8.勃起(erection)
  9.射精(ejaculation)
  10.受精(fertilization)
  11.妊娠(pregnancy)
  12.人工授精(artificial insemination)
 
VII 成人期
  1.メタボリックシンドローム(metabolic syndrome 代謝症候群,内臓脂肪症候群)
  2.脂肪代謝
  3.脂肪組織から分泌される活性物質
  4.脂肪蓄積(肥満症 obesity)
  5.脂質代謝とメタボリックシンドローム
  6.糖代謝とメタボリックシンドローム
  7.食欲制御物質
  8.高血圧(Hypertension)
 
VIII 老化(senescence)
  1.日本人の平均余命(average life expectancy)
  2.健康寿命(healthy life expectancy, disability-free life expectancy, healthy life years)
  3.細胞の老化
  4.加齢による臓器の機能変化
 
IX 個体の死
  1.寿命(死)
  2.平均寿命(average life span)
  3.脳死
 
おわりに
索引

著者紹介

富田忠雄(とみた ただお)
昭和30年 久留米医科大学卒業
昭和31年 九州大学医学部助手採用(生理学教室)
昭和35~37年 米国フロリダ大学留学(生理学教室)
昭和39~43年 英国オックスフォード大学留学(薬理学教室)
昭和43~47年 九州大学医学部助教授(生理学教室)
昭和47~54年 福岡大学医学部教授(生理学教室)
昭和54~平成7年 名古屋大学医学部教授(生理学教室)
平成7~11年 藤田保健衛生大学教授(総合医科学研究所)
平成11~14年 愛知県豊橋赤十字血液センター所長
現在 名古屋大学名誉教授

長 琢朗(おさ たくろう)
昭和32年 九州大学医学部卒
昭和34年 九州大学医学部助手採用(生理学)
昭和41~42年 スイス,ベルン大学留学(薬理学)
昭和42~43年 英国ケンブリッジ大学留学(薬理学)
昭和43~52年 九州大学歯学部助教授(生理学)
昭和52~平成8年 山口大学教授(生理学)
現在 山口大学名誉教授

瓦林達比古(かわらばやし たつひこ)
昭和49年 九州大学医学部卒業 同年九州大学医学部産婦人科入局
昭和50~55年 九州大学医学部大学院(生理・薬理学)
昭和53~55年 米国ブラウン大学留学
昭和55~56年 九州大学医学部産婦人科助手
昭和56~57年 九州労災病院産婦人科勤務
昭和57~平成3年 佐賀医科大学産婦人科講師
平成3~9年 福岡大学医学部産婦人科助教授
平成9~21年 同主任教授
平成17~19年 福岡大学病院長
平成19年~ 福岡大学副学長(医学医療・健康担当,兼産婦人科教授),現在に至る

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