内容紹介
近年,道路整備,自動車の燃費向上等によって都市の自動車交通問題は解決方向に向かいつつあるように見えるが,都市における交通渋滞,事故,環境問題,公共交通(軌道系公共交通,バス)の赤字問題等が根本的に解決しているわけでない。本書はこうした問題を個別的に検討するとともに,全体として自動車と公共交通の「バランス」はいかにして実現しうるかを検討している。具体的には自動車の適正な費用負担の重要性を述べるとともに,ヨーロッパやアメリカの都市構造を検討しながら分散型都市構造および大都市依存型都市構造の見直しの必要性を述べている。その他,現在議論されている有料道路の無料化論等についても批判的な検討を行っている。