生活経営学[第3版]
- 著者名
- 赤星礼子 編
- 価格
- 定価 2,200円(税率10%時の消費税相当額を含む)
- ISBN
- 978-4-7985-0322-6
- 仕様
- A5判 並製 230頁 C3036
- 発行年
- 2022年3月
- その他
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内容紹介
「生活経営」を英訳すると、Family Resource Management となる。つまり生活経営とは、家族および個人が持つ生活資源の経営・管理をすることである。生活資源とは、家屋や金銭などの物的資源だけではなく、人的資源である個人がもつ時間、知識、技術、姿勢、計画・企画力、愛情の受容力なども意味する。
家族や個人の生活をよりよくしていくためには、各自が自分のもつ生活資源には、何がどの位あるのか(有限性)、何を役立てられるのか(有用性)、どれとどれを組み合わせれば新たな資源を生み出せるのか(相互関連性)ということを意識して生活する必要がある。この「意識する」ということが、意思決定するということであり、生活するということは、意思決定の連続である。
本書は、私たちが生活者として的確な意思決定を行うために必要な、幅広い知識を提供するものである。
目次
まえがき
1章 「生活」を考える
1節 生活経営の考え方
1.生活経営とは
2.生活の多面性
3.家族の機能と役割
2節 家族構成の変化
1.家族の小規模・単純化
2.少子高齢社会
3.家庭生活の重視
3節 ライフスタイルの変化
1.共働きの増加
2.家事労働の変化
4節 情報化・国際化と生活
1.生活情報の活用
2.国際化社会に生きる
2章 生活時間と人の一生
1節 生活時間の管理
1.生活時間の意味
2.生活時間調査
2節 私たちの生活時間
1.1日の生活時間配分
2.生活時間にみる性差
3.生活時間とワーク・ライフ・バランス
3節 ライフサイクルとライフコース
1.一生涯の生活時間管理
2.ライフコースという考え方
4節 ワーク・ライフ・バランス
1.女性の就業状況
2.ワーク・ライフ・バランスはとれているか
3章 長寿社会を生きる
1節 高齢社会を生きる
1.人口の高齢化
2.平均寿命の伸長
3.高齢者の世帯構成
2節 高齢者の生活実態
1.高齢者の生活欲求
2.同居か別居か
3.高齢者の介護
3節 高齢者の生活福祉
1.高齢者福祉制度
2.要介護者の生活支援
4節 高齢者の社会参加
1.高齢者の社会参加
2.高齢者の地域貢献
4章 現代の結婚
1節 配偶者選択・結婚
1.現代の結婚の意味
2.結婚動向
3.配偶者選択
2節 伴侶性の形成
1.結婚幸福度
2.夫婦間の意思決定
3節 夫婦関係の破綻
1.離婚率の増加
2.離婚の方法
3.離婚理由
4節 これからの結婚・離婚
1.裁判上の離婚理由
2.夫婦別姓
3.結婚・事実婚
5章 日本の子ども
1節 子どもと家族の現状
1.子どもと家族の関係
2.子ども数の減少
2節 育児における課題
1.子ども・子育て観
2.理想の子ども数と予定子ども数
3.女性の仕事と育児
4.子ども・子育てに関する施策
3節 子育て世帯の家計
4節 日本の子どもの現在と未来
1.競争社会の子どもたち
2.時間的ゆとりのなさ
3.子どもたちの問題行動
4.家庭の教育力
5.未来の子どもたち
6章 生活と金銭管理
1節 家計と個計
1.生活と家計・個計
2.家計調査からみた家計の実態
3.子ども手当と公立高等学校授業料無償化
4.雇用の流動化と収入格差
2節 生活費に影響を与える要因
1.物価
2.思潮としての省エネルギー
3節 金銭管理の要点
1.家計簿
2.消費欲求(必要と欲望)
7章 ファイナンシャルプランニング
1節 ファイナンシャルプランニング
1.ファイナンシャルプランニングとは
2.国民経済と家計貯蓄
3.家計におけるフローとストックの管理
2節 貯蓄と負債
1.貯蓄の目的
2.金融資産の保有額
3.負債の現状
4.借入の目的
3節 保険
1.保険の目的と役割
2.生命保険
3.損害保険
4節 金融商品の選択
1.金融商品選択のポイント
2.自己責任時代の環境整備
8章 カード社会の金銭管理
1節 カード社会とは
1.カード社会
2.消費者信用とは
3.クレジットの返済方法
2節 カードの種類
1.カードの歴史
2.電子マネー
3節 カード社会の問題点
1.多重債務者の発生
2.借金の金利
4節 カード社会の金銭管理
1.レシートの管理
2.クレジットカードの管理
3.多重債務に陥った場合の対応
9章 消費者問題
1節 多発する消費者問題
1.構造的消費者問題の発生
2.消費者問題の変遷と内容
2節 消費者相談の現状
1.消費生活相談
2.相談内容の傾向
3.増加傾向にある相談内容
3節 消費者行政と消費者法
1.消費者行政の基本的視点
2.消費者法と被害救済機関
4節 消費者市民とは
1.消費者の権利と責任の自覚
2.経済的投票権による消費者の意思表示
3.持続可能な消費とグリーン・コンシューマ
10章 衣生活を考える
1節 衣生活と健康
1.流行のファッションの問題点
2.健康的な衣生活とは
2節 衣生活の管理
1.ワードローブの管理
2.機能性衣服(素材)
3.洗濯と保管
3節 衣生活関連産業の実情
1.アパレル業界
2.クリーニング業界
3.リフォーム業界
4節 生活の質を重視した衣生活のための提案 伝統的衣服
1.日本の歴史に学ぶ
2.九州・沖縄の伝統的染織品
11章 食生活を考える
1節 健康な食生活
1.健康管理と適正栄養の必要性
2.適切な調理の必要性
2節 食の現状と課題
1.飽食時代の落とし穴
2.フードファディズムと食のリスク
3.食卓の役割と食育
3節 食生活の安全管理体制
1.安全性確保の課題
2.安全管理体制
4節 これからの食生活
1.食料の自給率
2.フードロスと消費者の社会的責任
3.環境配慮型食生活
12章 住生活を考える
1節 安全な住まい
1.住まいの機能と安全性
2.住宅の品質確保
2節 健康な住まいとエコライフ
1.健康な住まいの条件
2.住まいとエコライフ
3節 日本の住宅事情
1.住宅事情の概況
2.高齢者の住宅事情
4節 これからの住まい
1.住居は人権
2.共に住む
13章 地域・コミュニティ 新たなつながりの構築
1節 個人と地域,社会とのかかわり
1.つながりを求める現代人
2.ITによるつながり
3.地域・コミュニティとは
2節 地域における新たなつながりの諸相
1.インターネットによる個人と個人のつながり
2.地域の特性に応じた支えあい ネットワークの構築
3.生活支援による地域再生 買い物弱者の事例より
3節 地域再生の実現 つながりの持続性と発展を求めて
1.グリーンツーリズムでの地域再生 安心院の事例から
2.官民連携の規制緩和による農泊の実現
3.都市と農村の交流による双方の成果
4節 国際的な連帯へ つながりの広がり
1.フェアトレード 一人でも生活のなかでできる国際的貢献
2.アジア初のフェアトレードシティ熊本市
14章 世界のなかの日本の生活 ジェンダーを通して
1節 女性の地位
1.日本のHDI・GIIの順位
2.GGIの極端な低位とその対応
3.各分野の女性比率
2節 ジェンダーの平等
1.ジェンダーの平等とは
2.ジェンダー平等へのあゆみ
3.性別役割分業意識の変化
3節 各国のジェンダー問題
1.女性への暴力
2.ドメスティック・バイオレンス(DV)
3.セクシュアル・ハラスメント
4.ストーカーとレイプ
5.売買春と人身売買
4節 国際化と生活
1.国際的にみた日本文化の特徴
2.マス・メディアの発展とグローバル化
3.国際的移動と国籍・国際縁組問題
5節 地球市民としての生活者の貢献
索引
著者紹介
赤星礼子(あかほし れいこ)1章、2章、3章、4章
佐賀大学名誉教授
博士(学術・福祉、長崎純心大学)
足立啓子(あだち けいこ)5章
元就実短期大学教授
奥村美代子(おくむら みよこ)14章
元九州ルーテル学院大学人文学部教授
医学博士(熊本大学)
甲斐今日子(かい きょうこ)10章
佐賀大学文化教育学部教授
博士(医学、佐賀大学)
川口惠子(かわぐち けいこ)6章、9章、11章
尚絅大学短期大学部名誉教授
博士(環境科学、長崎大学)
後藤直子(ごとう なおこ)8章
元香蘭女子短期大学教授
財津庸子(ざいつ ようこ)13章
大分大学教育学部教授
博士(教育学、九州大学)
沼田貴美子(ぬまた きみこ)11章
元熊本大学教育学部教授
博士(学術、熊本大学)
原まさ代(はら まさよ)7章
消費生活専門相談員、消費生活アドバイザー
米村敦子(よねむら あつこ)12 章
宮崎大学教育学部名誉教授