内容紹介
本書は「聖なる共同体」,一般にセクトと呼ばれているアーミシュ,ハッタライト,メノニータスに関する宗教社会学的研究である。これらの宗教共同体は,共に宗教改革期の再洗礼派に起源を持ち,数世紀にわたる苛酷な迫害と弾圧を避けて,信仰の自由が保障された北アメリカに安住の地を求めたのである。今日,アーミシュとハッタライトはアメリカ合衆国およびカナダに,メノニータスはメキシコに閉鎖的共同体を構築し,ドイツ的色彩の濃厚な独自の文化を展開している。本書はこうした宗教的共同体の歴史や宗教信仰と実践をはじめ,社会構造,家族,教育,経済といった具体的な生活の諸相を,著者自身のフィールドワークを通して明らかにしたものである。