九州大学出版会 Kyushu University Press

内容紹介

広島修道大学経済科学部教員が中心となって取り組んできた、経済科学という新しい学問的立場から社会システムの諸問題の解決に取り組んだ研究成果シリーズ第12巻。

第1章：無料保証期間を考慮した、拡張型の連続分布および離散分布ブロック交換モデルについて議論する。無料保証期間を適用することで期待コストが低下し、さらに最適な予防保全期間が無料保証期間に近づく傾向があることが確認される。

第2章：多峰性最適化は、多くの最適解を持つ最適化問題において、すべての最適解を一度に探索するという非常に困難な課題です。こうした多峰性最適化問題を解決するために、近接グラフを用いた手法を提案します。

第3章：環境への配慮を強化するという最近の国民的合意と、循環型社会の実現の重要性を踏まえ、従来の経済評価に環境便益と環境コスト、すなわち外部経済と外部不経済を組み込んだ、より包括的な経済評価の実施を提案する。

第4章：賦課方式による社会保障制度の世代間リスク分担効果を検討する。また、確定拠出型と確定給付型の2つの制度を考察し、これらの制度におけるライフサイクル所得の期待値が完全積立方式の場合よりも大きくなること、なかでも確定拠出型の期待値が確定給付型のそれよりも大きくなることを確認する。

目次

Preface
 
Chapter 1　A Study on Continuous and Discrete Distributions Block Replacement Policies
　　　　　　Taking Account of Free Warranty Interval
 
　1. Introduction
　2. Block Replacement Policies with a Continuous Distribution
　3. Block Replacement Policies with a Discrete Distribution
　4. Concluding Remarks
 
Chapter 2　Graph-Based Speciation Using β-Relaxed Relative Neighborhood Graph for
　　　　　　Multimodal Optimization by Differential Evolution
 
　1. Introduction
　2. Proximity Graphs
　3. β-relaxed Relative Neighborhood Graph
　4. Speciation
　5. Multimodal Optimization Using Graph-Based Speciation
　6. Numerical Experiments
　7. Conclusion
 
Chapter 3　Integration of Environmental Consideration and Economic Efficiency in Public
　　　　　　Works Projects
　　　　　　　　Linkage between Environmental Impact Assessment and Economic Evaluation　　
 
　1. Introduction
　2. Language Barrier between Environment and Economics
　3. Expression for Environmental Impact Assessment
　4. Economic Evaluation and Cost Benefit Analysis
　5. Period for Evaluation of Public Works Project and Discount Calculation
　6. Linkage between Economic Evaluation and Environmental Impact Assessment
　7. Monetary Evaluation Methods for Environmental Impacts
　8. Conclusion
 
Chapter 4　Pay-as-you-go Public Pensions and Intergenerational Risk Sharing
 
　1. Introduction
　2. The Model
　3. The Defined Contribution Wage Indexation
　4. The Defined Benefit Wage Indexation
　5. The Comparison of Two Systems
　6. Conclusion
 
Contributors

著者紹介

＜編　者＞
前田純一（まえだ じゅんいち）広島修道大学経済科学部教授（博士（経済学）、九州大学）
研究分野：数理経済学、理論経済学
 
岡村和明（おかむら かずあき）広島修道大学経済科学部教授（博士（経済学）、大阪大学）
研究分野：労働経済学、応用計量経済学
 
出木原裕順（できはら ひろゆき）広島修道大学経済科学部教授（博士（情報工学）、広島市立大学）
研究分野：多次元データ構造の開発と応用、ネットワークを利用した情報システム・アプリケーションの開発など

＜執筆者＞
海生直人（かいお なおと）広島修道大学経済科学部教授（工学博士、広島大学） 第1章
研究分野：オペレーションズ・リサーチ、信頼性理論
 
阪井節子（さかい せつこ）広島修道大学商学部教授（工学博士、大阪大学） 第2章
研究分野：ゲーム理論、意思決定、直接探索法による非線形最適化、進化的計算及び群知能、ファジー数理計画など
 
高濱徹行（たかはま てつゆき）広島市立大学大学院情報科学研究科教授（博士（工学）、京都大学） 第2章
研究分野：進化的計算及び群知能を含むNatural Computing、非線形最適化、機械学習など
 
長谷川 弘（はせがわ ひろし）広島修道大学人間環境学部教授　第3章
研究分野：環境影響評価、環境経済評価、農村環境
 
前田純一：編者欄参照　第4章