内容紹介
情報科学等の現代的諸科学を大幅に取り入れ、コンピュータ等を用いて実際の社会・環境・経営等を含む経済現象を分析することを試みる学問として「経済科学」を定義し、その立場から社会システムの諸問題の解決に取り組む研究成果シリーズ第15巻。
第1章:新型コロナウイルスの感染拡大が日本経済、とりわけ観光業と地方経済に与えた影響を、コロナ禍以前と以後の訪日観光客数の比較により分析する。
第2章:2000年12月に日本の国際協力機構(JICA)調査チームの手により策定された、ラトヴィアのルバナ湿地帯(LWC)での総合的な環境管理計画(EMP)において、環境保護や自然資源の利活用といったいわゆる「外部経済効果」を目的とする環境保全型開発事業の社会経済的妥当性が、いかに事前評価されたかを改めて検証する。
第3章:日本の大都市における市民農園の利用状況が、政策ネットワークの影響を受けていることを広島市の行政資料と市議会会議録を用いて明らかにする。
第4章:現実のサッカーの試合を仮想空間に再構築する方法について提案するもので、これを用いた多視点観戦システムを開発し、web上に展開している。
第5章:都市の公共交通機関が形成するネットワーク上のランダムウォークを考えることで、都市における混雑地を発見する手法を提案する。
第6章:複数の最適解を持つ最適化問題において、すべての最適解を同時に探索するという非常に困難なタスクである多峰性最適化を取り上げる。