新しいキャリアデザイン ニューノーマル時代をサバイブする
内容紹介
本書は、With / After コロナの社会状況を踏まえた、これまでにないキャリア教育テキストです。従来のキャリア教育では指導されることのなかったテレワーク対応型のマナーやスキルを身に付けることができ、大学生や高校生はもちろん、卒業して間もない社会人にも最適な一冊となっています。
以下、目次に沿って内容を紹介していきましょう。
第1章 新時代に際して
現在の日本や世界が、どんなパラダイムシフトの渦中にいるのかについて解説します。具体的には、第4次産業革命やSociety5.0、働き方改革、withコロナなど、新しいビジネスや働き方、採用活動などに際して、どんな力が必要なのか(MELDS)について、学生や社会人1年目に向けたガイダンスです。本書の著者の一人である保科氏が監修を手掛けられた『HUMAN+MACHINE 人間+マシン:AI時代の8つの融合スキル』(東洋経済新報社、2018年)で紹介された、AIとのコラボレーションに必要なスキルについて、若年者向けに書き下ろしたものでもあります。
第2章 新時代に使いこなすべきツール
新時代に使いこなすべきツール(web会議システム、クラウドストレージ、ビジネスチャットツール、オンラインセミナーやサロン、SNS、動画共有サイト、コワーキングスペースなど)について解説します。
第3章 重要な5つのキャリア原則
新しい時代を生き抜くために押さえるべき5つの原則(MELDS)を土台に、新しいキャリア教育の押さえるべきポイントを、ケーススタディを交えながら解説します。具体的には、それぞれの原則がどんなスキルや態度なのかについて、みなさんが理解しやすい事例や、参考になる理論を紐解きながら説明します。そして、学業や日常生活で実践しながらどうやって身に付けるのかについて述べます。
第1節 M:マインドセット 自らの成長を信じ、出来事をチャンスととらえて前に進み、失敗を恐れず最後まで諦めずにやり抜くにはどうすればいいのかについて学びます。
第2節 E:エクスペリエンス 計画的に偶発性を起こし、視野を広げて行動し、振り返り、経験を言語化し、仮説を立て、さらに新しい行動へと繋げるにはどうすればいいのかについて学びます。
第3節 L:リーダーシップ セルフマネジメントを行いながら、多様な人々と多様なツールを駆使してコミュニケーションを行い、リーダーシップを発揮するにはどうすればいいのかについて学びます。
第4節 D:データ 社会問題のイシューを把握し、説得力のある仮説を立てるために、IT技術や人脈を駆使して、現場の一次情報を集めるにはどうすればいいのかについて学びます。
第5節 S:スキル セルフマネジメントを行いつつ、起こりうる様々な課題を解決する、あるいは新しいアイデアを生み出し、成果を見える化するにはどうすればいいのかについて学びます。
第4章 新時代に必要な8つのスキル
第3章で解説した5つの原則の一つ「S:スキル」を若年者向けに8つに再定義し、それを身に付ける方法について解説します。MELDS同様、それぞれのスキルについて、みなさんが理解しやすい事例や、参考になる理論を紐解きながら説明します。そして、学業や日常生活で実践しながらどうやって身に付けるのかについて述べます。
第1節 セルフマネジメント 「仕事のオンとオフが曖昧で気が狂いそう!」な人のための処方箋。自らのモチベーションの個性を把握し、目標を設定し、スモールステップで前に進むにはどうすればいいのかについて学びます。
第2節 経験から学ぶ力 「学生時代にどんな経験をすればいいのかわからない!」人のための処方箋。経験は必ず振り返りを行い、その学びを言語化し、仮説を立て、次の行動へと繋げることの重要性について学びます。
第3節 問いを立てる力 「他者に、そして自分に何を問えばいいのか分からない!」人のための処方箋。答えのある課題なんてないことを前提に、少しでも前に進むための問いを立てる習慣を身に付けることの重要性について学びます。
第4節 ロジカルシンキング 「なぜ?なぜ?なぜ?って聞かれても困る!」人のための処方箋。これから必ず求められる「意見」は、「思い付き」では通用しません。どうやって根拠を用意するか、そしてどうやって伝えるかについて学びます。
第5節 クリエイティブシンキング 「大胆な発想・・・と言われても困る!」人のための処方箋。これから必ず求められるのはイノベーションを引き起こす創造的なアイデアです。企業や団体の会議室でも普通に行われている手法について学びます。
第6節 異文化理解力 「自分と違う意見の人と付き合うのは苦手だ!」という人のための処方箋。これからのビジネスはグローバルで、かつ、ダイバーシティを念頭に置いた働き方が求められます。自分と違う意見を楽しむ方法について学びます。
第7節 自らを発信する力 「リモートワークだと、ちゃんと評価してくれるか心配だ!」という人のための処方箋。これからはリモートワークが一般的になる以上、必須となる、自分を同僚や上司に伝える手法について学びます。
第8節 グリット(やり抜く力) 「最後までやり切る根性に自信がない!」人のための処方箋。努力を継続することは困難です。しかし、振り返ってみると、努力を継続してやり切ったことしか、あなたを支えてはくれません。やり切るコツについて学びます。
第5章 新時代に即した新しいキャリアデザイン
新時代に即した新しいキャリアデザインについて解説します。具体的には、特に就職活動中の学生にとって、そのまま活用できる新しい自己分析や企業団体研究、そしてインターンシップや面接対策に関する新しい戦略について述べます。特に採用活動の自由化に加え、新型コロナウイルスによって企業や団体の採用活動が一部オンライン化されるなど大きく変化しましたので、第2章で紹介したツールをどう活かすかも踏まえて解説します。
第1節 新時代のキャリアデザイン 答えは「学びたいことを学びつくすことが、将来に繋がること」。従来の就職活動、つまり学校や就職情報サイトが用意した企業説明会や就職講座に、他の学生と一緒に参加する、といった方法ではもう対応できません。一人一人のキャリアをどうデザインすればいいのかについて学びます。
第2節 新しい自己分析 答えは「過去ではなく、未来を起点にして、自分を捉え直すこと」。従来の自己分析、つまり過去の経験を丁寧に振り返るだけでは、皆さんがやりたいことは見つかりません。ではどうすればいいのかについて学びます。
第3節 新しい企業団体研究 答えは「企業に選ばれるより、企業を選ぼう」。従来の志望企業や団体は、大手企業や知名度の高い企業・団体を選びがちだったと思います。でも今こそ、コロナ禍でも売り上げや利益を上げている企業を見出すチャンスなのです。その手法を学びます。
第4節 新しいインターンシップ対策 答えは「オンラインのデメリットを克服して、メリットを生かすこと」。コロナ禍をきっかけに、これからはweb会議システムなどを使ったオンラインインターンシップも主流になります。このオンライン化にはデメリットもありますが、特に地方の学生にとっては逆にチャンスとなります。そこでオンラインのデメリットを克服する手法を学びます。
第5節 新しい面接対策 答えは「新しい時代だからこそ、AIにはできない力をPRすること」。コロナ禍によって面接もオンライン化、さらにAI化する兆しもあります。しかし、AIでは判断できない力は従来通り人間が判断するはず。だからこそ、その力をオンラインでどう伝えるかについて学びます。
目次
第1章 新時代に際して
現代日本が置かれている状況
AIと比べて、人間が得意なことは?
AIと人間が協働するために必要なスキル
人間性回復/責任ある定着化/判断統合/合理的質問/ボットによる強化/総合
的融合/相互学習/継続的改善
第2章 新時代に使いこなすべきツール
web会議ツール/ビジネスチャットツール/クラウドストレージサービス/どこ
でもオフィス(コワーキングスペースなど)
第3章 重要な5つのキャリア原則
第1節 M:マインドセット
[いきなりAI導入担当。私には知識が無いから無理だ!]
人はみな、最初はしなやかマインドセット/完成品より、途上品/結果ではなく、
そのプロセスを通して何を学んだか/そばにいるといい意味で落ち着かない人と
対話する/いつもやりたいと思っているけど、やれないことをやる
第2節 E:エクスペリエンス
[入社後、失敗しそうな新しい仕事を任された。断った方がいい?]
環境が人を育てる/人は経験から学ぶ/辛い経験を楽しむ
第3節 L:リーダーシップ
[人見知りなのに、さらにリモートワーク。どうやって協働する?]
第4節 D:データ
[現場からデータを引っ張り出すには、どうすればいい?]
第5節 S:スキル
第4章 新時代に必要な8つのスキル
第1節 セルフマネジメント
[仕事のオンとオフが曖昧で気が狂いそう!]
第2節 経験から学ぶ力
[学生時代にどんな経験をすればいいのか、分からない!]
第3節 問いを立てる力
[他者に、そして自分に何を問えばいいのか分からない!]
第4節 ロジカルシンキング
[なぜ?なぜ?なぜ?って聞かれても困る!]
第5節 クリエイティブシンキング
[大胆な発想……と言われても困る!]
第6節 異文化理解力
[自分と違う意見の人と付き合うのは苦手だ! どうすればいい?]
第7節 自らを発信する力
[リモートワークだと、ちゃんと評価してくれるか心配だ!]
第8節 グリット(やり抜く力)
[最後までやり切る根性に自信がない!]
第5章 新時代に即した新しいキャリアデザイン
第1節 新時代のキャリアデザイン
[学びたいことをとことん学びつくすことが、将来に繋がる。]
ゲシュタルトとは?/企業が求める人材は、オタク/今のキャリア教育は、もう
古い?/新しいキャリアデザインは、やりたいことを追求することから
第2節 新しい自己分析
[過去ではなく、未来を起点にして、自分を捉えよう。]
自己分析は何のために行うのか?/あなたは、これからどうありたいですか?/
バックキャスティングを利用した自己分析/理想とする未来の姿を描くワーク
第3節 新しい企業団体研究
[企業に選ばれるよりも、企業を選ぼう]
企業を取り巻く環境変化を捉える/IR情報を読み込む/戦略を探る/強みを探る/
経営理念を腑に落とす
第4節 新しいインターンシップ対策
[オンラインのデメリットを克服して、メリットを活かそう。]
第5節 新しい面接対策
[新しい時代だからこそ、AIにはできない力をPRしよう。]
書類選考のオンライン化・AI活用/筆記試験や適性検査のオンライン化・AI活用/
面接のオンライン化・AI活用(オンライン面接対策/対話型AI面接対策/デジタ
ル面接対策)
著者紹介
見舘好隆(みたて よしたか)
北九州市立大学・地域戦略研究所教授(地域創生学群専任)。
関西大学文学部卒業、立教大学大学院ビジネスデザイン研究科修了。大学卒業後、民間企業に
15年間勤務したのち、首都大学東京、一橋大学大学院を経て現職。その他、リクルートワーク
ス研究所客員研究員や福岡県立高校「新しい学び」プロジェクトアドバイザーなどを経験。授
業はキャリア教育を担当。研究領域は、若年者のキャリア形成支援。キャリア教育や初年次教
育、企業内教育など。近年は企業団体と連携した課題解決型学習(PBL)やインターンシップ、
地域活動など、大学での学びと社会との接続を中心に研究。2級キャリアコンサルティング技能
士や総合旅行業務取扱管理者の国家資格、FNQ認定・中級フットパスコーディネーターの資格
を持つ。
単著『「いっしょに働きたくなる人」の育て方―マクドナルド、スターバックス、コールド
ストーンの人材研究』プレジデント社、共著『人材開発研究大全』」中原淳(編)東京大学
出版会など。
保科学世(ほしな がくせ)
アクセンチュア株式会社ビジネスコンサルティング本部
AIグループ日本統括マネジング・ディレクター
牛山佳菜代(うしやま かなよ)
目白大学メディア学部准教授
奥村命子(おくむら めいこ)
京都女子大学非常勤講師
佐野 達(さの とおる)
拓殖大学商学部准教授
高中公男(たかなか きみお)
関西国際大学経営学部教授
永川幸子(ながかわ さちこ)
株式会社キャリアスクエア代表取締役
森部昌広(もりべ まさひろ)
九州共立大学経済学部特別客員准教授
栁田健太(やなぎた けんた)
宮崎学園短期大学現代ビジネス科准教授