20世紀のアメリカ連邦行政における主要動向を理論と実践の面から追求した論文集。アメリカ大統領府の発展を平板な制度の変遷として記述するのではなく,ホワイトハウスや大統領行政府を人間としての大統領やスタッフの相克の場としてダイナミックに描き出す。また,現地ワシントンでの面接調査に基づく公務員の業績評価に関する論稿は,今なお多くの論点を混迷する日本の行政システムに投げかけている。アメリカ行政学の「一体性の危機」の理論的・歴史的な分析は,憲法構造における「行政」の異質性の指摘とともに,アメリカ行政の理論と実践の根幹に鋭く迫っている。
第1章 アメリカ大統領府の発展と行政理論 第2章 連邦政府における人事行政改革の実践 ――業績評定・実績給制度を中心として 第3章 人事行政をめぐる<政治>と<行政> ――アメリカ連邦公務員制度の原像とその変容 第4章 さまよえる”行政” ――憲法構造におけるその正統性 第5章 現代アメリカ行政学の展開とその「一体性」の危機
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