伝統中国社会は「法」をどのようなものと観念してきたか,また,そこでのあるべき法とはどのようなものであったか。本書は,古代における「法」という漢字の成立伝承から説きおこし,数千年に及ぶ中国法文化の歴史を概観しつつこの課題に迫る。中国法の特質は判例と成文法が有機的に結合した「混合法」様式にあったという著者のユニークな結論は,中国における近年の法思想史研究の貴重な成果として注目に値しよう。
序 章 法文化一般と中国の伝統法文化第1章 伝説時代の法文化第2章 「神治・任意法」時代の法文化第3章 「礼治・判例法」時代の法文化第4章 「法治・成文法」時代の法文化第5章 「礼法共同統治・混合法」時代の法文化終 章 中国の伝統法文化と世界の法文化
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