複合的相互依存が急速に浸透する現代国際社会においては, 200カ国にも及ぶ国々の政治経済体制を実際に体系化するとなると容易ではない。そこで本書では, 政治経済学の主要理論を取り上げ, それぞれがいかに多様な政治経済体制を理論的に構造的に抽出しようとしているのかを考察すると共に,ステイティズム理論を応用して日本とカナダにおける石油市場への介入に焦点をあて,両国の石油問題および政治経済体制の特徴を考察している。比較政治経済学,国際関係論あるいはエネルギー問題研究の必読書である。
第1章 序 論 事例研究/重要概念の定義/本書の意義第2章 政治経済体制の対立理論と多国籍企業-国家関係理論 リベラル多元主義理論/マルクス主義理論/パワーエリート理論/ ステイティズム理論第3章 ステイティズム分析のための新たな研究戦略 研究構想/国家の影響力と自律性/国家の理念型/独立変数/媒介 変数/政策過程における国家の影響力と自律性第4章 カナダと日本の政治文化と国家権力 カナダの政治文化と国家の権力/日本の政治文化と国家第5章 石油政策環境とカナダと日本 国際環境とカナダと日本の石油政策/国内の石油政策環境とカナダ と日本の国家第6章 1960年代カナダの国家石油政策と市場介入 国家の影響力と自律性および国家石油政策(NOP)の進展/NOP実施に おける国家の影響力と自律性/石油政策問題の性質/国家指導者た ちのイデオロギーと信条/政治的ダイナミクス第7章 高度成長期日本における石油業法と市場介入 石油業法の制定過程における石油業界と国家/通産省と石油業法の 実施/高度成長期における石油政策問題の性質/国家指導者のイデ オロギーと信条/政治力学第8章 石油危機とカナダ 石油危機とカナダの対応/石油政策問題の性質/指導者たちのイデ オロギーと信条/政治的なダイナミクス第9章 石油危機と日本 石油危機に対する日本の対応/日本政府と石油危機後のエネルギー 政策の展開/石油問題の特質/政府指導者のイデオロギーと信条体 系/政治力学第10章 結 論 国家の力の自律性をめぐる論争の原因/国家の影響力と自律性のモ デル/石油政策過程におけるカナダと日本の国家の影響力と自律性 /政治文化と国家の影響力と自律性/政策環境と国家の影響力と自 律性/政策問題の性格と国家の影響力と自律性/国家指導者のイデ オロギー・信条と国家の影響力と自律性/国家内の政治力学と国家 の影響力と自律性/カナダと日本の国家の理念型と比較政治経済体 制/ステイティズム理論の長所・短所と市場への政府介入が拡大す る一般条件/多国籍企業―国家/企業―政府関係,比較政治経済体 制,公共政策の研究にとってのステイティズム理論・アプローチの 有効性/カナダと日本における将来の企業と政府関係と国家市場介 入のあり方に対する本書の意義/今後の研究のための提言
生きている言語は常に変化し続けています。現代日本語も「生きている言語」であり、「…
詳細へ
冤罪はなぜ起こるのか。刑事訴訟法は明文で、「犯罪の証明があった」ときにのみ、有罪…
物理学者フェヒナー、進化生物学者ヘッケル、そして発生生物学者ドリーシュ。本書はこ…
近代日本のなかで主要な政治勢力の一翼を担った帝国陸海軍は、太平洋戦争の敗戦ととも…
本書の目的は,建物・橋梁・車両・船舶・航空機・ロケットなど軽量構造物の振動現象を…
〒819-0385福岡県福岡市西区元岡744 九州大学パブリック4号館302号室 電話:092-836-8256 FAX:092-836-8236 E-mail : info@kup.or.jp