患者さんと医療系学生のための臨床薬理学入門 くすりを正しく用いるために
<改訂・改題され、『くすりとからだ』になりました>

著者名
笹栗俊之
価格
〔絶 版〕
ISBN
978-4-7985-0186-4
仕様
A5判 並製 172頁 C1047
発行年
2016年9月
その他
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内容紹介

本書は、著者が医学部で講義している薬理学総論のエッセンスを、患者さんを含めて一般の読者にもわかるよう、わかりやすい文章で解説した薬理学の入門書である。タイトルを「薬理学入門」ではなく「臨床薬理学入門」としたのは、医療系学生が学ぶべき薬理学は臨床に直結するものでなければならない、という著者の考えによる。

本書は、チーム医療のメンバー全員を読者に想定した。現代医療はチーム医療であり、医療に関わる人たちが知識を共有しなければ薬物治療は成功しないからである。医療系学生諸君は、本格的な教科書をひもとく前に本書を通読することで、学習のポイントをつかめるだろう。最も望むのは、薬に対する意識が目覚め、なぜ薬理学をしっかり学ぶ必要があるのか、心からわかってもらえることである。

ところで、医療チームのメンバーは医療職の人たちばかりではない。チームの主役はむしろ患者さんである。患者さんが主体的に治療計画に参加し、納得できる治療法を自ら選択できるようになれば、薬物治療の効果を最大限に引き出すことができる。そこで本書は、薬物治療の基礎知識を患者さんに身につけてもらうための教養書にもなっている。これを読めば、医師や薬剤師の説明がよく理解でき、治療法の選択に際して適切に判断できるようになるだろう。

16の章立ては、おおむね、著者が大学で薬理学総論を講義する順番になっている。しかし、難解な専門用語をなるべく避け、平易な言葉で書いているので、話を聴くような感覚で気楽に読み進められるはずである。

目次

はじめに
 
第 1 章 薬とは何か 薬と毒はどこが違うのですか?
 
第 2 章 薬の名前 カタカナばかりで覚えにくいのですが?
 
第 3 章 薬物治療とは 病気は薬で治せるのですか?
 
第 4 章 薬の作用メカニズム 薬はなぜ効くのですか?
 
第 5 章 薬のたどる道 なぜ毎日飲まなければならないのですか?
 
第 6 章 有害反応 この薬、副作用はありますか?
 
第 7 章 薬害 なぜ、悪い薬をつくったのですか?
 
第 8 章 薬の乱用 なぜ、やめられないのですか?
 
第 9 章 薬と薬の相互作用 いっしょに飲んでも大丈夫ですか?
 
第10章 薬が効きにくい人、効きすぎる人 この薬、私に効きますか?
 
第11章 妊娠と薬 薬を飲んではいけませんか?
 
第12章 高齢者と薬 薬を飲んだら、体がフラフラするのですが?
 
第13章 薬のモニタリング 忙しいので、半年分の薬をもらえませんか?
 
第14章 薬の開発 この薬、どこでつくったのですか?
 
第15章 薬の選択 専門家の処方だから、いい薬ですよね?
 
第16章 薬と上手につきあうには 一生飲まなければいけませんか?
 
あとがき

著者紹介

笹栗俊之(ささぐり としゆき)
 
1956年福岡市に生まれる。1981年九州大学医学部医学科卒、1987年九州大学大学院
医学系研究科博士課程修了、医学博士。1986〜1988年オックスフォード大学薬理学
部門に留学。内科勤務医、国立循環器病センター勤務を経て、2001年より九州大学大
学院医学研究院臨床薬理学分野教授。専門は薬理学、臨床薬理学、内科学。日本内科
学会認定内科医、臨床薬理専門医、高血圧専門医。主な著書に『NEW薬理学』(南江
堂、共著)、『臨床薬理学』(医学書院、共著)、『CRCテキストブック』(医学書
院、共著)、『臨床研究のための倫理審査ハンドブック』(丸善、共著)などがある。
趣味は登山、ネイチャーフォト、読書、音楽鑑賞。

学術図書刊行助成

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