総合知の地平
- 定価 4,840円(税率10%時の消費税相当額を含む)
近年、少子高齢化やグローバル化、情報化の急速な進展に伴い、地域社会の抱える課題もますます複雑・多様化している。このような中、既存の学問分野の枠を超えた総合知としての学問はますますその重要性を増していると言ってよい。熊本県立大学総合管理学部は、創立以来20年に渡り、様々な角度から総合知を探究してきた。本書は、同学部20周年を記念し、これまでに行ってきた総合的教育・研究の成果を世に問うものである。 (さらに…)
福原麟太郎著作目録
- 定価 13,200円(税率10%時の消費税相当額を含む)
この頃では,福原麟太郎(1894-1981)の名を知る人は少なくなった.およそ200点あった彼の著書を新刊書店で見ることもなくなった.英文学とは「人生の經驗を種々通りぬけ,人情の機微の世界をもくぐつて,本當にこれが世の中の姿,人の運命だと悟りを語る」性格の文学であると説いた彼は,一方では英国流の人生観や汎ヨーロッパ的教養に縁遠い日本人には手強い,いわば「大人の文學」である英文学を,私たち初心者に懇切に手解きしてくれた.例えば,Lamb に対してなら「友人になれといはれゝば,まあお斷りである」とか...
Socioeconomic Study on the Burden of Leptospirosis
- 定価 17,600円(税率10%時の消費税相当額を含む)
フィリピンやタイなどアジア・中南米の亜熱帯・熱帯地域で流行する人畜共通感染症であるレプトスピラ症の,フィリピンにおける疫学的調査の最新成果。レプトスピラ症は日本でも感染が報告されており,その防除や対策にも役立つ資料となる。 (さらに…)
佐賀藩多久領 御屋形日記 第三巻
- 定価 3,300円(税率10%時の消費税相当額を含む)
旧佐賀藩の家老で多久領主であった多久家の御屋形日記の翻刻と校註。今回は元禄三年八月~五年七月にかけての部分を取り上げる。多久領の支配と民衆生活を窺うことのできる史料である。 (さらに…)
ファミリー・ソーシャルワークの理論と技法
- 定価 4,620円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は,人と社会が差異の相互循環過程で生成するという生成的社会論を支援論の基礎理論とし,体系的な差異の生成技法とその効果の測定法を示すことを通して,新たなファミリー・ソーシャルワーク・モデルを提唱するものである。児童・高齢者福祉,看護などの家族支援が重要視される諸分野において,洗練された実践とその効果測定法が示され,本モデルの有用性が明らかにされる。ソーシャルワーク関連の研究者・臨床家のみならず,家族支援に携わるすべての人々が,本書から新しい次元の実践的知識を得られるだろう。 (さらに&hell...
大清帝国と朝鮮経済
- 定価 8,580円(税率10%時の消費税相当額を含む)
朝鮮王朝後期、清の再侵攻に備え膨大に蓄えられた銀や銅銭が緊張緩和に伴い国庫から市場へと滲出し、手工業大国中国と鉱産資源大国日本との狭間で人蔘輸出と銭本位制による"国民経済"が準備されていった。李祘(イ・サン)や張禧嬪 (チャン・ヒビン)が生きた17~18世紀の朝鮮経済史を、史実の着実な検証により解明する。 (さらに…)
地方交付税制度の運用と展開
- 定価 5,940円(税率10%時の消費税相当額を含む)
日本と諸外国の地方制度の違いは地方交付税制度が存在するシステムと存在しないシステムの違いと言っても過言ではない。しかも,この制度は国の財政とも密接に連携してきた。本書は戦後半世紀あまりを対象に,基準財政需要額の算定を明らかにすることで,法体系に基づく地方制度の構造とその構造変化を解明している。さらに政府部門の大転換点であった70年代の構造変化を地方制度の視点から詳述した。この意味で本書は財政構造を解明する書であり,歴史の真実を明らかにする書でもある。 (さらに…)
子ども社会学の現在
- 定価 4,180円(税率10%時の消費税相当額を含む)
社会の急激な変化に伴って子どもの問題行動も多様化し、複雑化し、また大人の理解を越えるような問題行動も見られるようになった。本書は、「いじめ」をはじめとする子どもの問題行動と、その対応策としての集団活動の有効性を実証し、また子どもの発達にとっての居場所の存在の重要性を明らかにするとともに、親の問題としては育児不安を取り上げて克明に分析し、現代の混沌とした社会において子どもおよび子どもに関わる諸問題を社会学的方法によって研究していくことの意義と課題について考察したものである。 (さらに&hellip...
ヤン・パトチカのコメニウス研究
- 定価 4,840円(税率10%時の消費税相当額を含む)
パトチカは,フッサールやハイデガーに学んだチェコ20世紀を代表する哲学者として知られるが,激動のチェコ20世紀に三度大学を追われ,最後は官憲の取り調べのなかで死去した。彼は現象学や歴史哲学の研究で知られるが,彼の祖国が生んだ17世紀の教育思想家コメニウスの研究にも多くの業績を残した。コメニウスを近代教育の先駆者として位置づける啓蒙主義的な解釈も歴史的な断絶を強調する実証主義的な解釈も批判する彼の方法論は,思想史研究のひとつの範型といえる。同時に彼は,過去の思想が現在に語りかけてくることの意味を考...
近代文学の橋
- 定価 5,940円(税率10%時の消費税相当額を含む)
近代文学を発展させた作家たちは様々な問題に取り組んでいた。表現体において「言文一致体」がその諸問題に対する解決案の一つであったが,近世から近代にかけて,文学の意味内容も吟味されるようになった。文芸的思潮の流れの中で「橋」は作中に数多く登場しているが,この頻出の原因は一体何だろうか。本書は,橋が登場している近代文学の複数の名作において,「橋」が如何に描写されているのか,その箇所が如何に作品全体の意味合いに貢献しているのかを調査するものである。イデオロギーなどを主題の一つとして取り上げる近代の小説家...