人文科学
ナチスと闘った劇作家たち
- 定価 3,960円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ナチス政権下に亡命した五人の劇作家たち。彼らは二度の世界大戦に遭遇し,祖国への帰還を夢見た20世紀ドイツのオデュッセウスである。ユダヤ人迫害,亡命,抵抗,日本の悲劇,歴史と実存等を描いた秀作を通して,二千年の歴史をもつ演劇が二十世紀最大の難問(アポリア)であるナチズムをどう捉えたのか考察し,時代の記録たる演劇の造形力と可能性を探る。 (さらに…)

佐賀藩多久領 御屋形日記 第一巻
- 定価 3,300円(税率10%時の消費税相当額を含む)
佐賀県多久市の多久郷土資料館には,旧佐賀藩の家老で多久領主であった多久家の御屋形日記が,天和二年(1682年)から明治三年(1870年)まで189冊残されている。これらは多久領の歴史を物語るもので,本藩と多久との支配・被支配関係や,多久の領主,家臣,領民,その他民衆の生活の諸相を語り,佐賀藩の内部構造を深く知り得る貴重な資料といえよう。 (さらに…)

辞書遊歩
- 定価 2,640円(税率10%時の消費税相当額を含む)
長崎には多数の外国人が来訪した。そのため町は特異な言語環境のもとにあり,そのなかで,多数の外国語辞書が編纂された。日本最初のフランス語辞書『払郎察辞範』や英語辞書『諳厄利亜国語和解』などはとくに有名である。本書は,江戸,明治初期に長崎で編纂された辞書,あるいは長崎に所蔵されている辞書を紹介する。 (さらに…)

環境と人間
- 定価 3,520円(税率10%時の消費税相当額を含む)
21世紀においては,危機的状況をもたらした環境問題を克服し,生態系を保全し持続型社会を形成していくために,環境学=環境科学を確立していくことが求められている。本書は環境学をめぐる国際交流を報告するとともに,多様な領域から成る環境学の現在の一端を紹介するが,多くの人々が本書に接し,環境問題の解決と新たな学の創造に関心を寄せていただくことを期待する。 (さらに…)

生命と環境の共鳴
- 定価 3,080円(税率10%時の消費税相当額を含む)
生命活動には環境からの圧力が伴うが,種ではなく個体を中心とする人間に特有な仕方での対処は深刻な環境問題を招くに至った。自然や将来世代への責任の自覚が求められるが,具体的には,従来分離されてきた生命倫理と環境倫理の統合や,複雑系である環境に応じた知の組み換え,また柔軟な行政組織での対処等が考えられる。 (さらに…)

タイプフェイスとタイポグラフィ 〔改訂版〕
- 定価 3,520円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は、文字のはじまりから書体の変遷、活字やモダン・タイポグラフィの歴史をコンパクトに分かりやすく述べ、レタリングの実際的な考え方や書き方の要領を一冊にまとめたものである。デザイナーとしてレタリングやタイポグラフィを確かにしておこうと考えている人、レタリングをやってみようかなと考えている人には好適な手引書であり、デザインや建築関係の学校のテキストとしても適している。 (さらに…)

ヨーロッパ中世世界の動態像
- 定価 10,340円(税率10%時の消費税相当額を含む)
西欧中世史研究の第一人者,九州大学名誉教授森本芳樹氏の古希記念として本書は編まれた。とはいえ単なるアンソロジーではない。氏が過去四半世紀をかけて続けてきた研究会のメンバーの手による本格的な研究書である。本書は「史料論」を核に据えつつ,新たな歴史像の再構築を目指すという共通認識のもと,史料自身のありようを同時代状況において見直すという第一部「史料論の世界」,史料の多元性・複合性に注意を払いつつ実証作業の奥行きの深さを問う第二部「史料と理論の対話」の二本柱で構成される。いずれも,中世初期から後期(一...

生命の倫理
- 定価 3,080円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ヒトゲノム解読計画が完了し,本格的なゲノム科学の時代を迎えている今日、これまでの生命倫理学規範である権利概念の限界も含めて,生命倫理学の構造的見直しが求められていると思われる。本著はこの間,応用的レベルを中心に展開されてきた生命倫理学の展開をふまえて、原理的規範的検討を試みようとするものである。また、独、米、日本国の優生学の歴史的分析も加え、時代の政治的経済的動機によって翻弄されてきた生命倫理規範を見つめるものである。 (さらに…)

九州弥生文化の特質
- 定価 15,400円(税率10%時の消費税相当額を含む)
なぜ弥生時代は開始されたか,なぜ古墳文化は九州から興らなかったか......。九州全域・沖縄を主な対象として,東アジア的脈絡から弥生時代中期社会を解き明かす。認知考古学などの理論や新しい方法論を縦横に駆使して,土器・集落・墳墓を分析。斬新なモデルと解釈を提示する。独自の視点から弥生社会の実像に迫る意欲作。 (さらに…)

日本文学の本質と運命
- 定価 7,700円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は日本文学が外来と土着,歴史と神話の二極のあいだをゆらぎながら自己構造化を進める過程と規定し,その永遠の主題が原初から失われている神話の再構築にあると主張するものである。すなわち,「古事記」から川端文学まで同じ主題を追求するものであり,ゆらぐことで自らのアイデンティティを保ってきた文学だというのである。そのような文学の理解には失われた記憶の再構築としての精神分析理論が有効であり,それを活用して古歌や俳句,あるいは近代小説の分析を行う。日本文学の根源的問題を追求し,その人類的意義を定めようとし...
