薩摩藩対外交渉史の研究
- 〔品 切〕(参考:本体価格 8,000円)
本書は,東アジア朝貢体制に繋がる琉球口輸出品「昆布」の調達構図と,輸入品「光明朱」の流通構図を解明し,加えて中国・朝鮮漂着民の送還事例から,相互送還体制及び東アジア地域に共有する送還体制の実際を確認し,東アジア漂着民送還の国際ルールの存在を立証する事で,これまで閉鎖的に語られてきた幕府外交を東アジアのなかの日本の視点で問い直すものである。 (さらに…)
中世前期北西スラヴ人の定住と社会
- 定価 4,950円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書はドイツ人東方植民以前のバルト海南岸における初期社会の形成を扱った研究書である。文献史料と,ドイツ,ポーランド,スカンディナヴィアの考古学研究の成果を総合的に検討し,近隣勢力との交流が侯家門あるいは祭司支配など,この北西スラヴ社会の地域的個性化に重要な影響を与えていたことを明らかにした。 (さらに…)
ヴェストファーレン条約と神聖ローマ帝国
- 〔品 切〕(参考:本体価格 3,800円)
我国では,「神聖ローマ帝国の死亡証明書」として知名度は高くとも,その実態はほとんど知られてこなかったヴェストファーレン条約。しかし,近世ドイツ国制史研究の進展と条約締結350周年を契機として,両者の関係は現在大きく見直されつつある。本書はそうした最新の研究動向を踏まえながら,条約当事者たるスウェーデンと皇帝との関係に焦点を定め,条約の成立過程からその後の展開を明らかにすることで,条約と帝国の関係及びその歴史的意義をヨーロッパ近世の政治文化の中に位置付ける試みである。 (さらに…)
営農集団の展開と構造
- 定価 4,620円(税率10%時の消費税相当額を含む)
営農集団の形成メカニズムやメンバー(農家)にとっての組織化メリットは何か。本書は,営農集団の概念と内容を理論的に検討し,また佐賀平野を舞台とした稲作集団栽培の盛衰の歴史をたどった上で,平地・都市・中山間の地域類型ごとの代表的な営農集団の事例から現状分析を行い,改めてこの「古くて新しい」課題に応えるものである。 (さらに…)
「青年の国」ドイツとトーマス・マン
- 定価 5,940円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は,19世紀末ドイツに生成した「ドイツ青年運動」ならびに当時の思想書や政治的テクスト,また文学テクストを分析の対象とし,「男性同盟と同性愛」を縦軸に,「文学と政治」を横軸に据えて,「エロスと政治と文学」の特殊ドイツ的ありかたを解明しようとするものである。忘れられた思想家,ハンス・ブリューアーのほか,この時代のドイツにおける「エロスと文学と政治」のディスクルスが一身に交差する「青年神話」とトーマス・マンが俎上に載せられる。 (さらに…)
植民地朝鮮の日本語教育
- 〔品 切〕(参考:本体価格 6,400円)
戦前に日本が植民地朝鮮で行った教育は,朝鮮人の日本への同化を特色とし,日本語がその主要な手段とされた。本書は,その原点に立ち返り,日本語教育における同化の概念を闡明し,日本語が同化の主な手段に位置づけられた論理と,日本語による同化教育の成立過程を解明しようとするものである。 (さらに…)
Proceedings of the 12th International Conference on Finite or Infinite Dimensional Complex Analysis and Applications
- 定価 11,000円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は2004年7月に,世界各国から約100名の参加者を得て国際基督教大学で開催された数学の国際会議の報告集である。複素解析,力学系,微分方程式,代数解析など多様な分野の高度で最新の結果が掲載されており,本書は各分野の最近の動向に対する鳥瞰図の役割を担うことが出来る。数学の研究者が所属する研究図書館には是非とも備えておく必要のある書物である。 (さらに…)
Functions and structure of Amae
- 定価 7,040円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は,「甘え」に関して実証心理学(特に,社会的認知論,文化心理学)の観点から理論的・実証的に解明した最初の書である。「甘え」の理論的分析,そして「甘えとは何か」,その良い面と悪い面,対人相互作用過程などの質的分析を通して,その構造と機能を明らかにする。その結果として,甘え行動・交流の関係論的プロセス・モデルを提案する。更に,「甘え」の文化比較を実証的に研究するための方法の一つのあり方を提示する。 (さらに…)
住血吸虫症と宮入慶之助
- 定価 6,050円(税率10%時の消費税相当額を含む)
2003年は宮入慶之助が住血吸虫症の感染経路を解明して90年目に当たる。 本書は第一部で住血吸虫症研究にかかわった日本人学者20数名が研究史,宮入の業績,感染病理,ミヤイリガイ,日本における根絶,世界の感染現状,根絶の新技術などを分担執筆した。 第二部は宮入慶之助に焦点を当てた編年記,回想,エピソード,写真集である。かつてノーベル賞候補に推薦された宮入のインパクトと人物とをまとめて概観できる。 (さらに…)
ことばの標
- 定価 3,850円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は,2003年に41歳の若さで逝去した島根大学法文学部助教授,故平井昭徳氏に対して,親交の深かった同世代の研究者14名が捧げた本格的論文集である。英語学の語用論,統語論,意味論,英語史研究のみならず,イギリス文学,アメリカ文学といった幅広い分野をカバーした意欲的な力作揃いであり,平井論文1本を含む計15本から成る。言語,文学に興味をもつ多くの研究者や大学院生にとって有益な1冊となるであろう。 (さらに…)