韻文訳 妖精の女王(下)[新装版]
- 定価 4,620円(税率10%時の消費税相当額を含む)
『妖精の女王』は、詩人エドマンド・スペンサーによってエリザベス1世に捧げられた長編叙事詩である。アーサー王伝説を題材とした騎士道物語で、「妖精国」の女王グロリアーナの命を受けた遍歴の騎士たちが、徳を体現しながら、ときにアーサー王子の助けを得て、貴婦人や魔女、魔術師、竜や怪獣などをめぐり数々の冒険を繰り広げる。 キャンベルとトリアモンド三兄弟が激戦を繰り広げ、ブリトマートはアマゾン族の女王の美に屈したアーティガルの救出を試み、キャリドアはブレイタント・ビーストを退治する一人旅に出る。 下巻には第4...

韻文訳 妖精の女王(上)[新装版]
- 定価 4,620円(税率10%時の消費税相当額を含む)
『妖精の女王』は、詩人エドマンド・スペンサーによってエリザベス1世に捧げられた長編叙事詩である。アーサー王伝説を題材とした騎士道物語で、「妖精国」の女王グロリアーナの命を受けた遍歴の騎士たちが、徳を体現しながら、ときにアーサー王子の助けを得て、貴婦人や魔女、魔術師、竜や怪獣などをめぐり数々の冒険を繰り広げる。 赤十字騎士(のちの聖ジョージ)はユーナ姫とともに竜退治に出かけ、若武者ガイアンは試練を乗り越えて至福の園に乗り込み、美貌の女騎士ブリトマートはマーリンの魔法の鏡に見た騎士を求めて旅に出る。...

教師の権利保障と労働運動
- 定価 8,470円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は、公立学校教員の労働条件および処遇改善の問題を、教員の「労働基本権の保障」の側面から再検討し、教員制度改革をめぐる今般の政策方向ならび方法論に一石を投じることを目的とするものである。その手掛かりとして、韓国の二大教員団体(労働組合である全国教職員労働組合と専門職団体である韓国教員団体総連合会)が行う「団体交渉」に着目し、それを支える法制度がいかに形成・制定され、展開してきたのか、その一連のプロセスを明らかにした。 教員の労働条件や労働環境の悪化は日本国内にとどまらず、世界に共通する課題であ...

動態としての教育
- 定価 16,500円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は、ドイツ人社会学者ニクラス・ルーマンの社会システム理論に依拠し、学校、家族、教育学など、教育という現象に関わる様々なシステム間関係の解明を試みるものである。ルーマンの理論に依拠することの意義は、主体の存在を想定しない彼の脱人間中心型世界観だけでなく、世界を様々なシステムの重なりとして捉えることで、世界にいかなる中心も想定しない多元的な現象把握が可能となる点である。ルーマンの社会システム理論から出発することで、あるものが他の様々なものと同時につながるような、重層的影響関係を見いだすことができ...

18世紀ニューイングランド漁業のグローカル・ヒストリー
- 定価 5,500円(税率10%時の消費税相当額を含む)
「このように、タラ漁業とそれに付随した干しダラ輸出業は、当時のニューイングランド経済最大の富の源となっていたのである」(本文序章より抜粋) 本書は、植民地期ニューイングランドの基幹産業だったタラ漁業と干しダラ輸出業に着目し、同植民地の経済発展及びイギリス本国からの経済的自立化、そして独立戦争へ至るプロセスについて考察したものである。その際本書では、当該期のニューイングランドを代表するタラ漁業・タラ交易都市マーブルヘッド(マサチューセッツ植民地)がケーススタディとして取り上げられ、同都市のタラ商人...

前近代イスラーム社会と〈同性愛〉
- 定価 5,280円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は、およそ9-14世紀のイスラーム社会における〈同性愛〉という概念が芽生えていく過程を明らかにするものである。一般に、現代に至るまでイスラーム法では同性愛が禁じられているが、歴史的には男性同士の性愛が文学作品などに広く描かれている。本書は、このような状況を歴史学的に理解するため、様々な事例を文献に則って具体的に示すと同時に、「近代の産物」とされる「同性愛概念」に類似したものが、イスラーム社会において前近代において芽生えつつあったことを明らかにする。 序章から第1章まで、かなりの紙幅を割いて、...

「第三帝国」以前の「第三の国」
- 定価 3,960円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は、前近代的な宗教思想であった「第三の国」das dritte Reich が、近代的な社会思想として展開し、ナチスの「第三帝国」das Dritte Reich へと変容していく過程を明らかにする。12世紀イタリアで生じた歴史を三分割する思想が、ナチスの語彙とは異なる意味で用いられ、19世紀後半から第一次世界大戦期までのヨーロッパやロシア、それに日本に多大な影響を与えたことは、いまだ学術的に究明されていない。 「第三の国」の言説をめぐる以上のような研究状況の中で、トーマス・マンを考察の中心...

ある助産婦の物語
- 定価 6,380円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は、Laurel Thatcher Ulrichによって1990年にアメリカで出版された A MIDWIFE'S TALE: The Life of Martha Ballard, Based on Her Diary, 1785–1812 の翻訳書である。歴史学者ウルリッヒの代表作である原書は、1990年にバンクロフト賞、アメリカ歴史学会のジョン・H. ダニング賞、その年の最もすぐれた女性史研究に贈られるジョーン・ケリー賞を受賞したほか、翌1991年にはすぐれたアメリカ史の書籍に与えられる...

日本社会と継承語教育
- 定価 3,960円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書のねらいは、継承語や母語・母文化が当事者やその家族、民族にとってのみならず、日本社会にとっても重要かつ必要な文化資源・言語資源であることを様々な事例をもとにひも解いていくことである。このため、本書では、継承語と継承語教育について、法制度・政策、文学・心理学、言語習得・学習動機、異文化コミュニケーション、継承語教育理論、教育実践、人権といった様々な領域から切り込んでいく。 序では、日本の法制度において多文化・多言語環境で育つ子どもに対する平等性・公平性をもった学習権保障が抜け落ちている点を指摘...

「専売建築」と妻木頼黄
- 定価 7,480円(税率10%時の消費税相当額を含む)
明治期に活躍した官僚建築家である妻木頼黄(つまきよりなか)(1859–1916)は、当時の本邦建築界の中心的存在だった辰野金吾(1854–1919)に対峙した存在として知られている。英国流の辰野に対する独逸流の妻木、辰野の日本銀行本店本館(1896)に対する妻木の横浜正金銀行本店本館(1904)など、両者を巡る対置的な図式の中心軸にあったのは、帝国議事堂の設計案をどのように選定するかという命題だった。そのため既往研究の多くでは、妻木が明治20年代末以降に主導した大蔵省傘下の営繕組織の系譜や官庁営...
