清代北京の首都社会
- 定価 8,580円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は首都とは何か、清代北京の三つの空間構造より論を起こし、北京首都社会論を提起する。本論では第一に首都北京における水害救済と食糧流通、第二に火災と消防組織、第三に治安統治と戒厳体制の三領域を考察し、北京首都社会における特質を解明する。三領域を考察する際に、首都北京を統治する清朝政府の諸政策も論じられる。本書は問題を可能な限り具体的に考察し、事象の実態を捉え、それがどのように変化するのかという研究方法を重視している。本書では、北京と台北に架蔵されている非編纂の行政文書である檔案史料を分析し、事象...

Aspects of the Origin of Being Modern
- 定価 5,280円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は、はシェイクスピア作『リア王』とトマス・ミドルトン作『復讐者の悲劇』を、それぞれの作品が成立したジャコビアン朝の社会的、政治的、経済的、文化的、精神的背景を踏まえて「近代の起源」という観点から論じたものである。 『リア王』を扱った第Ⅰ部では、公益より私益を追求する商業主義・個人主義を追求する近代ブルジョワ精神の方が劇の展開に沿って丁寧に論じられており、『復讐者の悲劇』を扱った第Ⅱ部ではイタリアに誕生したマニエリスムの影響を受けたジャコビアン朝の宮廷上演に言及しな...

近代初期イギリス演劇選集
- 定価 6,600円(税率10%時の消費税相当額を含む)
演劇の近代は16世紀ロンドンで幕を開けた。従来アマチュアや旅役者一座が担ってきた猥雑で豊穣な演劇文化の伝統は、常設の公衆劇場を拠点に活動する商業劇団へと継承された。新しい時代の劇作家や俳優たちが直面した課題は、「消費者としての観客」という、より多様で、無定形で、御しがたく、得体の知れない集団を相手に、ウケる芝居を継続的に生み出していくという、これまでにない難題だった。共同体的(コミュナル)な演劇から商業的(コマーシャル)な演劇へ。記号的な熱演からより自然な写実的演技へ。イギリス演劇はかつてない革...

子育ても、キャリア育ても
- 定価 2,200円(税率10%時の消費税相当額を含む)
少子高齢化がすすむ現代、子育てに孤立感をおぼえる母親の割合が7割に上ると報告されている。少子化に歯止めをかけるために「産めよ育てよ」と言われ、経済停滞を打破するために「女性の輝く社会を作るべく、女性も働きましょう」と言われ、現代日本の女性は多くを期待されている。出産育児とキャリア形成は両立できるのか、両立するためにはどのような準備が必要なのか。子育ての負担は個人のみが負うべきものなのか、社会も負担を分かち合うとすれば、どのような社会になっていかないといけないのか。本書は、2019年度より大阪大学...

地域のレジリエンスを高める環境科学
- 定価 2,200円(税率10%時の消費税相当額を含む)
私たちは、地球環境に負荷をかけ続けた結果として、気候変動等の環境変化による問題に直面しています。これらの問題は、昨今の異常気象や自然災害にみられる通り、突如として、私たちの生活や社会に深刻な影響をもたらします。先の状況に対応するためには、「逆境に強くある」社会をつくることが求められているといえます。 今、世界では、「逆境に強くある」社会に必要な資質として、レジリエンス(Resilience)が注目されています。レジリエンスとは、「弾力性(強靱さ)」「復元(回復)力」「適応性」等と定義される概念で...

ノヴァーリスにおける統合的感官としての「眼」
- 定価 4,400円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ドイツ初期ロマン派の詩人ノヴァーリスによれば、世界は本来「精神の啓示」である。そのような世界とは静的かつ固定的な事物の寄せ集めではなく、本来的に「精神」と呼ぶほかない不可視の根源的な力と連関のうちにある。しかし現状においてその連関を認識することができないわれわれは、「精神の啓示」を読み取ることもまたできない。ノヴァーリスはそのような状況を「世界の意味」の喪失と呼ぶ。彼の詩学において一貫して目指されているのは、この失われた「世界の意味」の回復であり、それは世界と「精神」との根源的連関の回復によって...

次世代エンジニアを育てる自己決定学習の理論と実践
- 定価 5,500円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書の目的は工学系の学部教育や企業における能力開発において自己決定学習が果たす役割と効果を理論的および実証的に明らかにすることにある。自己決定学習とは学習者が学習内容の決定に関わる学習である。米国の工学教育の改革の歴史とそれによってもたらされた教育のイノベーションに照らせば、わが国の大学のエンジニア育成は学習に対する学生の自立と責任の意識の涵養とそれによる学習の個別化を重視してきたとは言い難い。この課題を克服するためのすぐれた学習方法が自己決定学習である。 本書では筆者の長年の研究に基づき学部教...

Japanese Style Management
- 定価 5,940円(税率10%時の消費税相当額を含む)
1960年代から80年代を通して、日本的経営は健全な産業関係の構築、忠実で献身的な労働力、完璧で高品質の製品の生産、高い収益性などの奇蹟を成し遂げたと高い評価を得ていた。 日本的経営システムは人的資源管理(human resource management: HRM)面においては、終身・長期雇用、年功序列賃金・昇進制度、入社後の継続的な訓練・教育制度、企業別組合、ボトムアップ的意思決定システムなどで、また生産管理面においては、下請け・系列構造、製品や工程の継続的改善、小ロット生産、ジャスト・イン...

日本における教育学の発展史
- 定価 9,680円(税率10%時の消費税相当額を含む)
日本の教育学は長年、主に戦前期に活動した一部の著名な教育学者たちに目を向ける一方、戦前・戦後に活動した比較的有名でない無数の教育学者にはほとんど目を向けてこなかった。本書は、そうした日本の教育学という学問的ディシプリンに対し、伝記的データを用いたプロソポグラフィの手法によって検討対象の拡大を試みるものであり、主には戦前期の中等教員養成を支え、戦後日本の教育学者の多くを輩出し、教育学というディシプリンの再生産に大きな役割を果たしてきた諸機関に勤務した教育学者たち(計365名)の全体的な傾向を分析し...

第4版 家族社会学
- 定価 2,200円(税率10%時の消費税相当額を含む)
今日、日本において戦後以降、主要な家族形態として存続してきた、夫婦と未婚の子からなる家族 20世紀近代家族 が変容してきている。本書は、この近代家族における家族機能上の諸問題と家族形態上の諸変化を多角的に分析し、その将来展望を示すという目的のもとに刊行されたものである。 2001年の初版刊行から「家族社会学」の講義用テキストとして好評を博し、改訂を加えながら版を重ねてきたが、第4版でもこれまでと同様、基礎編と応用編に分け、汎用性を考慮した構成となっている。基礎編では家族の社会学的定義、家族の変動...
