次世代エンジニアを育てる自己決定学習の理論と実践
- 定価 5,500円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書の目的は工学系の学部教育や企業における能力開発において自己決定学習が果たす役割と効果を理論的および実証的に明らかにすることにある。自己決定学習とは学習者が学習内容の決定に関わる学習である。米国の工学教育の改革の歴史とそれによってもたらされた教育のイノベーションに照らせば、わが国の大学のエンジニア育成は学習に対する学生の自立と責任の意識の涵養とそれによる学習の個別化を重視してきたとは言い難い。この課題を克服するためのすぐれた学習方法が自己決定学習である。 本書では筆者の長年の研究に基づき学部教...
Japanese Style Management
- 定価 5,940円(税率10%時の消費税相当額を含む)
1960年代から80年代を通して、日本的経営は健全な産業関係の構築、忠実で献身的な労働力、完璧で高品質の製品の生産、高い収益性などの奇蹟を成し遂げたと高い評価を得ていた。 日本的経営システムは人的資源管理(human resource management: HRM)面においては、終身・長期雇用、年功序列賃金・昇進制度、入社後の継続的な訓練・教育制度、企業別組合、ボトムアップ的意思決定システムなどで、また生産管理面においては、下請け・系列構造、製品や工程の継続的改善、小ロット生産、ジャスト・イン...
日本における教育学の発展史
- 定価 9,680円(税率10%時の消費税相当額を含む)
日本の教育学は長年、主に戦前期に活動した一部の著名な教育学者たちに目を向ける一方、戦前・戦後に活動した比較的有名でない無数の教育学者にはほとんど目を向けてこなかった。本書は、そうした日本の教育学という学問的ディシプリンに対し、伝記的データを用いたプロソポグラフィの手法によって検討対象の拡大を試みるものであり、主には戦前期の中等教員養成を支え、戦後日本の教育学者の多くを輩出し、教育学というディシプリンの再生産に大きな役割を果たしてきた諸機関に勤務した教育学者たち(計365名)の全体的な傾向を分析し...
第4版 家族社会学
- 定価 2,200円(税率10%時の消費税相当額を含む)
今日、日本において戦後以降、主要な家族形態として存続してきた、夫婦と未婚の子からなる家族 20世紀近代家族 が変容してきている。本書は、この近代家族における家族機能上の諸問題と家族形態上の諸変化を多角的に分析し、その将来展望を示すという目的のもとに刊行されたものである。 2001年の初版刊行から「家族社会学」の講義用テキストとして好評を博し、改訂を加えながら版を重ねてきたが、第4版でもこれまでと同様、基礎編と応用編に分け、汎用性を考慮した構成となっている。基礎編では家族の社会学的定義、家族の変動...
「保護」と「分類」の教育社会史
- 定価 4,620円(税率10%時の消費税相当額を含む)
20世紀前半のアメリカ・カリフォルニア州における日本人移民の児童保護をめぐって、「人種」のイデオロギーがいかに作用し、どのような「保護複合体」が生成、活動したのだろうか。本書では、日本人移民の児童保護政策と中間団体による事業の展開を分析し、「人種」によって子どもたちが分類、保護される過程について解明する。 第1部では、1900年代から1910年代のカリフォルニア州政府の児童保護政策について扱う。カリフォルニア州慈善矯正委員会は、要保護児童への対応を開始し、民間組織による孤児保護施設から、より「自...
モノから見た海域アジア史
- 定価 1,980円(税率10%時の消費税相当額を含む)
古来より国と国、地域と地域を分け隔て、結びつけた「海域」は人・モノ・文化の交流の舞台となってきた。その海域からアジア史を見ると、従来の枠組みからは見えなかった歴史が見えてくる。本書は中世の海域アジアを行き交った様々なモノ、石材・木材・陶磁器・貴金属を通じて考古学・日本史・東洋史を専門とする各研究者が日本とアジア、ユーラシアの交流の諸相を解説したものである。写真・図版多数収録。 (さらに…)
土器製作技術からみた稲作受容期の東北アジア
- 定価 8,800円(税率10%時の消費税相当額を含む)
考古学、植物考古学、自然人類学の成果や理化学的年代測定の蓄積により、先史時代の長江中下流域でイネ、黄河流域以北でアワ・キビの栽培化がはじまり、その後、これらが東北アジア諸地域に広がった過程が明らかになりつつある。とくに、イネ栽培を伴う農耕の伝播期において、移住や大きな文化変化が生じていたことは注目される。東北アジアにおける初期農耕の伝播に関する議論において、土器は主要な研究対象とされてきた考古資料である。土器研究では文様や形態的が主な分析項目とされてきたが、その製作技術は注目される。製作技術は土...
ドイツ映画史の基礎概念
- 定価 3,520円(税率10%時の消費税相当額を含む)
戦後のドイツ人は自身の〈ホーム〉を失ったディアスポラの民であり、人々は精神的故郷を求めてさまよい、さすらった。果たして現代のドイツ映画は〈ドイツ人のディアスポラ〉という戦後のビッグ・モチーフに対していかに応答したのだろうか? 21世紀以降のドイツ映画賞受賞作のうち、「移民」「ナチ」「東西ドイツ」を扱った諸作品を異文化理解の立場から紹介・解説する本書は、現代ドイツ映画史への格好の手引書であるといえよう。あらすじ、主題、メディア論的な意味を分析考察し、2000年代から2010年代にかけて生じた作品傾...
日韓における外国人労働者の受入れ
- 定価 5,280円(税率10%時の消費税相当額を含む)
日韓両国は、少子高齢化に伴う生産年齢人口比率の低下などにより労働力不足に直面し、外国人労働者の受入れが増加している。受入れ拡大のための制度改革が進められてきたが、外国人労働者の増加に伴い処遇改善などが課題となっている。特に、他産業に比べて高齢化と労働力不足が顕著な農業では、外国人労働者への依存と受入れ継続への切迫感が強い。本書は日韓共通の課題である外国人労働者の受入れに関し、主に政治経済学の視点から考察するものである。第Ⅰ部では、受入れ制度改革の現状と問題点について、それぞれの専門...
日韓の交流と共生
- 定価 5,280円(税率10%時の消費税相当額を含む)
グローバル化の進展は、国家・地域間において相互理解を深める機会を提供する一方で、相互の摩擦や衝突を生み出す原因ともなっている。日韓関係も例外ではなく、大衆レベルでの往来が活発化する一方で、双方の社会が内包する価値観の差異にも起因する壁が、むしろ顕在化した面もある。そのような現実を乗り越えるためには、過去そして現在の多様な現場で、様々な課題を抱えるなか、むしろ不協和音が存在するからこそ、交流と共生への努力が不断に続けられてきたことに注目する必要がある 以上が本書を貫く主題である。 第1部「つなが...