人文科学
所有と貧困の倫理
- 定価 2,750円(税率10%時の消費税相当額を含む)
『諸宗教の倫理学――その教理と実生活』シリーズは諸宗教をテーマ別に様々な観点で比較するものである。 この第4巻では,大宗教の伝統において重要な役割を果たしている「所有と貧困」というテーマを取り扱っている。例えば,冨と貧困は神によって望まれたことなのか,もしくは宗教的に命じられたことあるいは禁じられたことなのか,金持ちが天国に至るのは困難であるのか,もしくは再生という不幸な循環から逃れるのは困難であるのか,等々である。 これは倫理学に関心を持つもののみならず,宗教学,宗教教育学,神学,...
環境と文化
- 〔品 切〕(参考:本体価格 3,500円)
本書で提示する<文化環境学>は,環境にかんする諸問題への文系基礎学からの回路を開拓する試みである。「環境」とは「生きとし生けるもの」すべての生活の舞台(ステージ)である森羅万象を意味する。「人間の自然へのかかわりかたとしての文化」から,文化の世界としての意味「メディア・言語記号としての世界」までの振幅を考察する。 (さらに…)
フランス絶対王政と領主裁判権
- 定価 6,380円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本刊行物は,故志垣嘉夫氏(元九州大学大学院比較社会文化研究科科長)の多数の論考の中から,「アンシアン・レジーム期フランスの領主裁判権」に関する労作を選び出し,まとめたものであって,我が国の西洋近世国制史研究に多大な寄与をなすことが期待されうる著作である。その章別構成は,氏が生前自ら構想しておられた博士論文の草稿(未完)にほぼ依っている。本著作は,刊行・未刊行史料の緻密な分析に基づく本格的な実証研究の成果である。その意図するところは,アンシアン・レジーム期における王権の伸長を過度に強調する通説...
20世紀の扉を開いた哲学
- 〔品 切〕(参考:本体価格 2,200円)
フッサール現象学は,「<間(あいだ)>の次元の発見」によって,20世紀の哲学に対してまったく新しい思考可能性の扉を開いた。この着想のもとに,フッサール現象学を読み直し,再評価を試みる。それとともに,ヨーロッパ大陸の哲学と英米の哲学という,二つに分断された現代哲学の状況のなかで,両者に橋を架ける可能性をフッサール現象学に見ようとする。近代から現代へという大きな哲学の流れのなかで,フッサール現象学が持つ意味を見据えつつ,初学者のための入門に貢献しようとする。長く邦訳が期待されていた,正統派のフッサー...
マルチメディア時代のドイツ語教育
- 定価 4,400円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書では,現状のドイツ語教育の問題点の分析から出発し,九州大学での授業実践の紹介,ドイツ語CD-ROM教材の比較・分析などを通して,マルチメディアを利用したドイツ語教育の可能性と問題点を検証する。また,ドイツ語教育の将来に向けて,新しいカリキュラムや外国語教育担当教員養成のための大学院構想を含めて提案する。 (さらに…)
中・近世西欧における社会統合の諸相
- 定価 9,020円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本論文集は,中・近世西欧において社会諸層がそれぞれの属する共同体や領主制の枠組みを越え多様な回路で取 結ぶ複合的な関係を,「社会統合」のキーワードのもと,「都市・農村関係」,「領主制」,「生産・流通」,「権力構造」の4側面につき実証的に読み解くことを狙いとしている。 (さらに…)
認知考古学の理論と実践的研究
- 〔品 切〕(参考:本体価格 7,000円)
認知考古学はプロセス考古学とポストプロセス考古学の対立を超える21世紀の新パラダイムとなる可能性をもつ。本書は,伝播論や形式学などの考古学における普遍的かつ基本的問題に関わる理論的枠組みを認知的視点から再構築することをめざす著者が,認知考古学とは何かを日本考古学の資料を用いて世に問う本格的理論と実践の著である。 (さらに…)
ヨーロッパ中世古文書学
- 定価 15,400円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書はヨーロッパ古文書学の父,フランス実証主義史学の確立者として知られるジャン・マビヨン(1707年没)の主著に関する世界で最初の現代語訳である。著者は17世紀の戦乱による史料の散逸と誤った準則の横行を前にして,「文書は古ければ古いほど疑わしい」とする通説と闘うため,そして「歴史は正しく保存されない限り死滅する」との固い信念から,デカルトの新しい合理的方法論に基づいて,真偽判別の要素を文書の材質,書体,文体,下署,印章,日付事項に分類し,総合的視点から新しい準則を導き出すことに成功,ここに近代...
コミュニケーションの諸相
- 定価 2,640円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は,コミュニケーションについて、三つの観点から論じている。先ず,聞き手の解釈の仕組みについて,『関連性理論』を概説。「時の概念」・「広告者の意図」の解釈の仕組みを検証し,問題点を論じた。次に,聞き手に解釈の手懸かりを提供する発話のイントネーションの機能について解説し,第二言語学習者用の英語・米語を資料として,その基本的機能の研究を行った。最後に,男女間のコミュニケーションには,性差のあることばの使用があるが,内省的・実証的研究の概観によって,男女共同参画社会の「女性語」は,数多いコミュニケ...
冬の目覚め
- 定価 6,600円(税率10%時の消費税相当額を含む)
20世紀イギリス詩の方向性はモダニズムによって決定されたのではない。フランス戦線で瀕死の重傷を受け,神経衰弱に苦しむロバート・グレイヴズは,モダニスト詩人ローラ・ライディングと出会い詩人として再生するが,それは皮肉にもモダニズムに反発する伝統的感覚を確認させる結果となる。異才グレイヴズの芸術的葛藤の真相を追求し,イギリス詩の反モダニスト的特質を明らかにする。 (さらに…)