人文科学

残響

残響

小田 稔 訳
定価 2,640円(税率10%時の消費税相当額を含む)
統一的なテーマで編集された英・米・アイルランドの短編小説8編。丁寧な注釈を施したハーディ新訳に加え,全8編中7編が本邦初訳。人が作った社会の仕組み,持って生まれた性(さが),避けることのできない老いなどに取り囲まれている人生の中で,生きる喜びと力を与えてくれるものは何か。また,その喜びと力を阻んでいるものは何か。立ち止まって考えたい。耳を傾けたい。失ってはならないものに読者の心を手繰りよせる数々の残響に。 (さらに…)
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ミーマーンサー研究序説

ミーマーンサー研究序説

片岡 啓
定価 10,340円(税率10%時の消費税相当額を含む)
インド六派哲学の雄にして,伝統バラモン教学の最難関たる聖典解釈学ミーマーンサー。その本質を解き明かす世界でも数少ない本格的研究書。タミルナードゥ州の伝統的学者に長く師事した新進気鋭の研究者による祭式行為論研究。第一章の序論に詳細なミーマーンサー研究史を付す。先行研究概観,シャバラとクマーリラの年代論・先行研究を詳述。散逸したクマーリラの『ブリハットティーカー』についても先行研究と関連資料を網羅。第二章の思想史研究ではバーダリからクマーリラに至るミーマーンサー学派の行為概念の発展史を詳細に跡付ける...
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中国南方話劇運動研究(1889-1949)

中国南方話劇運動研究(1889-1949)

間ふさ子
定価 6,820円(税率10%時の消費税相当額を含む)
20世紀初頭に登場した中国の話劇は,台詞と動作・表情を表現の手段としてドラマを進行させ,具象的な舞台装置や衣装を用いる,「写実」を尊ぶ表演芸術である。新興の表演芸術である話劇は近代意識を表現し,「国語=共通語」で演じられるものだということがこれまでの学界の定説であった。しかし当時の中国においては,国語は知識人の共通語ではあっても民衆の共通語ではなく,国語話劇の他に民衆を対象とした方言話劇も存在していた。著者は中国南方(華南・東南・台湾)の方言話劇運動に着目し,使用言語の問題を中心にその発展の流れ...
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中世盛期西フランスにおける都市と王権

中世盛期西フランスにおける都市と王権

大宅明美
定価 7,040円(税率10%時の消費税相当額を含む)
中世盛期以降,フランス王権は都市の力を地域再編のために大いに利用し,軍事・財政等の分野で利用価値が高いとみなしたものを特別に「良き都市」と呼んで尊重した。「良き都市」の指導者層もまた,王権との緊密な関係を最大限に利用しながら地域社会における影響力を強めていく。本書は,フランス中西部のポワトゥー地方を対象に,このような都市と王権の互恵的関係がいかにして形成されたのかを解明しようとするものである。 (さらに…)
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道化師ツァラトゥストラの黙示録

道化師ツァラトゥストラの黙示録

細川亮一
定価 6,820円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書はニーチェ『ツァラトゥストラ』を「形象が織りなす一つの物語」として捉え,「道化師ツァラトゥストラの黙示録」という新しいツァラトゥストラ像を提示する。「新たな永遠性の道化師」と「ディオニュソスと同一視されたイエス(『ヨハネの黙示録』のイエス)」は,狂気でさえ消し去ることのできないほどニーチェの実存を支配していた。この実存の深みから「道化師ツァラトゥストラの黙示録」は構想された。本書を特徴づけるのは,「ニーチェの遺稿・草稿・書簡も踏まえたテキストの正確な解読」,「大胆なテーゼの提示による哲学的か...
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モダニズムの政治学

モダニズムの政治学

レイモンド・ウィリアムズ/加藤洋介 訳
定価 4,180円(税率10%時の消費税相当額を含む)
モダニズム,アヴァンギャルド芸術,メディア,映画,商業アート,カルチュラル・スタディーズを,碩学ウィリアムズがつなぐ。本書は,これらをつなぐことで見えてくる20世紀の壮大な文化史であり,21世紀の新しい知の可能性を開く。本邦初訳となるウィリアムズの80年代の決定的論集。 (さらに…)
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地方統治体制の形成と士族反乱

地方統治体制の形成と士族反乱

堤 啓次郎
定価 6,820円(税率10%時の消費税相当額を含む)
廃藩置県から三新法制定に至る時期は,明治国家の形成期にあたり,旧藩政支配の要素を解体し,中央政府の政策を府県に貫徹させることが国家的課題となっていた。「難治県」―士族反乱―中央集権的な統治体制の形成という過程をたどり,この時期の政治状況の一典型を成した佐賀県の統治体制の形成過程とその特徴を検討することで,明治期における国家形成の特質に迫る。 (さらに…)
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中世ヨーロッパの医療と貨幣危機

中世ヨーロッパの医療と貨幣危機

エーリック・アールツ/藤井美男 監訳
定価 2,640円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は,2009年4月に九州大学で行われたエーリック・アールツ教授(レウヴェン大学)による訪日二度目の講演会録である。第1章は,若きブラバント公が1430年夏に急死した原因を追究する異色の社会史的論考である。第2章は,中世後期ヨーロッパの危機を貴金属貨幣の不足という視点から考察する。いずれも,検屍解剖書や会計簿,造幣所データなど膨大な史料にもとづく緻密な論証である。 (さらに…)
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廷臣詩人 サー・フィリップ・シドニー

廷臣詩人 サー・フィリップ・シドニー

キャサリン・ダンカン=ジョーンズ/小塩トシ子・川井万里子・土岐知子・根岸愛子 訳
定価 6,160円(税率10%時の消費税相当額を含む)
エリザベス女王の宮廷にあって文武両道の華・理想の廷臣とされてきたシドニーの実像に迫り,その非神話化を試みる。エリザベス朝期の文学評論で定評のあるダンカン=ジョーンズ女史による斬新で画期的な評伝。 (さらに…)
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トテル詩選集 歌とソネット 1557

トテル詩選集 歌とソネット 1557

上利政彦 訳注
定価 7,260円(税率10%時の消費税相当額を含む)
 Edward Arberが出版したTottel's Miscellany(1870)の名称で知られるSONGES AND SONETTES(1557)『歌とソネット』は,出版以後よく読まれ,シェイクスピアもこの詩選集により英詩に初めて接したと言われる。英文学史上初めてソネットと無韻詩が発表され,詩の言語としての英語の自立が宣言されたことで不朽の名を残す。また,学者詩人ニコラス・グリモールドの詩が,再版では10篇に減らされ以後読まれなくなるが,初版では40篇が印刷されていることも重要である。 ト...
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