生命の倫理
- 定価 3,080円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ヒトゲノム解読計画が完了し,本格的なゲノム科学の時代を迎えている今日、これまでの生命倫理学規範である権利概念の限界も含めて,生命倫理学の構造的見直しが求められていると思われる。本著はこの間,応用的レベルを中心に展開されてきた生命倫理学の展開をふまえて、原理的規範的検討を試みようとするものである。また、独、米、日本国の優生学の歴史的分析も加え、時代の政治的経済的動機によって翻弄されてきた生命倫理規範を見つめるものである。 (さらに…)
家族の起源〔増補版〕
- 定価 4,180円(税率10%時の消費税相当額を含む)
エンゲルスの古典を現代民族学から検証し,その再構築を期す。共同体を視野に入れた著者独自の比較家族史学の成果。増補版では,アメリカの人類学者マーヴィン・ハリスの理論を参照し,「女子労働の発展と家父長制の止揚」の命題を掲げ,混乱せる現代家族の状況を分析する。 (さらに…)
地球環境と内生的経済成長
- 定価 4,180円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書では,新しい成長理論と呼ばれてきたマクロ動学モデルに対して環境問題を組み入れ議論を行う。特に,生産性の上昇を引き起こすイノベーション,人的資本の役割や環境汚染を防ぐための環境政策などに焦点をあて,持続可能な発展を実現するための条件や望ましい政策のあり方などを詳細に検討する。 (さらに…)
数学解析の望ましい姿を探って
- 定価 2,750円(税率10%時の消費税相当額を含む)
2002年12月12日?14日に「数学解析の望ましい姿を探って」と題して,九州大学国際ホールで開催された研究集会の報告集。専門的な講演の他に,異なる研究領域の聴衆を意識した啓発的な講演など,全13講演を収録。 (さらに…)
九州弥生文化の特質
- 定価 15,400円(税率10%時の消費税相当額を含む)
なぜ弥生時代は開始されたか,なぜ古墳文化は九州から興らなかったか......。九州全域・沖縄を主な対象として,東アジア的脈絡から弥生時代中期社会を解き明かす。認知考古学などの理論や新しい方法論を縦横に駆使して,土器・集落・墳墓を分析。斬新なモデルと解釈を提示する。独自の視点から弥生社会の実像に迫る意欲作。 (さらに…)
いま,学力を考える
- 定価 2,860円(税率10%時の消費税相当額を含む)
子どもたちの学力は低下したのか。中学生や高校生の学力は?本書は,今や大きな社会問題・教育問題となっている学力をテーマに,九州大学の社会貢献事業の一環として,九州大学教育学部が中心となって開催した,市民対象の「公開シンポジウム」と「公開セミナー(全5回)」の内容をまとめ,「学力とは何か」を改めて世に問うものである。 (さらに…)
広重の浮世絵風景画と景観デザイン
- 〔品 切〕(参考:本体価格 2,300円)
広重の浮世絵風景画は,日本のみならず海外でも多くの愛好家をもっており,万国の人を惹きつけてやまない魅力を持っている。 「絵になる景観」を追求する著者達は,景観の基本的構成要素を,水,緑,道,まちなみの4つとし,本書では,この基本的構成要素にしたがって浮世絵を逐一調べ上げている。ついで,広重が描いた絵画と実際の景観との関連を論じ,俯瞰化や削除,移動配置などの広重のデザイン手法について述べ,「デフォルメ」などの構図上の工夫をしていることを指摘している。さらに,透視図法と広重の風景画との関連を詳細に調...
R.A.フィッシャーの統計理論
- 定価 4,730円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は,農事試験における具体的な応用上の問題,さらには社会の状況や要請との関わりから実験計画法や有意性検定といったR.A.フィッシャーの統計理論の展開を考察した研究である。統計的検定を中心に,誤差論,K.ピアソン,ゴセット,およびネイマン?ピアソンの統計理論とフィッシャー理論との関連性と差異についても検討されており,20世紀前半期における推測統計学の形成過程を描き,その社会的背景を解明する意欲作である。 (さらに…)
ジェンダーの民族誌
- 定価 9,020円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ボントック社会では制度や規範といった面で柔軟なところが多く,現実の問題や社会の変化に応じさまざまな対応をする。そこでは女性たちが主体的,戦略的にその役割を利用し,状況に応じて新たな役割を創りだしていくことができる。このような社会で,経済活動の主たる担い手として重要な位置を占める女性たちがどのような社会的地位を与えられているのか,あるいはどのような役割が新たに創りだされていくのか,ジェンダーというものを女性だけの問題としてではなく男性との関係において社会全体の枠組みのなかでとらえることによって,民...
不安と葛藤
- 定価 4,950円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は,著者がこれまでに研究した「神経症の心理機制」の大集成である。神経症(不安障害と身体表現性障害)の中核症状とされる「不安」とは何かを多くの文献をもとに明らかにし,脳生理と認知心理学の研究を結びつけ,不安と葛藤を説明する「こころ」のモデル(精神機構モデル)を提唱した。このモデルから初診時に,既に神経症の病的心理が手にとるように見え,また神経症の亜型は,挫折した現実欲求の分布が異なることも明らかにされた。分析学派の心因とは異なる現実的な心の葛藤(心因)であり,この葛藤は現実欲求の充足で消え,ま...