人文科学 文学

シェイクスピア時代の演劇世界

シェイクスピア時代の演劇世界

英 知明・佐野隆弥・田中一隆・辻 照彦 編著
定価 4,730円(税率10%時の消費税相当額を含む)
最近のエリザベス朝・ジェイムズ朝演劇研究で必須となったツールが、デジタルアーカイヴズである。これは膨大な研究資料を、広くオンライン上でデジタルデータとして変換、公開するもので、インターネット上で閲覧できる情報・画像・映像データベースなどを含んでいる。執筆者たちは意欲的にデジタルアーカイブズを利用し、シェイクスピア、マーロウ、リリー等の劇作家が描く演劇世界に新たな視点を盛り込んだ最新研究を提示している。第一部「演劇理論と作品の受容」では、「役者の変装とダブリング」を観客がいかに受容したかという理論...
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御津の浜松一言抄

御津の浜松一言抄

辛島正雄
定価 3,960円(税率10%時の消費税相当額を含む)
夢と転生に彩られた甘美な恋物語という従来の解釈から、二人の男が互いの想い人を奪い合う、「恋の闘争」の物語へ  『無名草子』において平安後期物語の三大傑作に数えられながら、近世以前に首尾を逸亡させ、国学者たちによる研究も不発に終わった『浜松中納言物語』(原題「御津の浜松」)は、昭和初期に最終巻の伝本が二本発見されたことにより、研究史上の新時代を迎えた。以来、八十年余りを経て、その間には優れた注釈書も著され、読解のための環境は整ったように見えるのだが、実際にはどうなのか。本書は、最終巻前半に見える主...
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エリザベス朝史劇と国家表象

エリザベス朝史劇と国家表象

佐野隆弥
定価 6,380円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ヘンリー8世からエリザベス1世そしてジェイムズ1世が統治した初期近代は、イングランドが近代的国家体制の構築に向かう時期に当たる。イングランド国教会の設立に代表される政治的・宗教的言説流通の中で、国家意識の急激な高まりは多くの年代記とイングランド史劇を中心とする歴史劇を生み出した。本書は、16世紀初頭から1642年の劇場閉鎖までの時期に創作された50編ばかりの全歴史劇を対象に、個別のイングランド史劇に描き込まれた国家表象(イングランド表象)の有りようを時系列に沿って網羅的に記述した、演劇史研究であ...
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近代文学の橋

近代文学の橋

ダニエル・ストラック
定価 5,940円(税率10%時の消費税相当額を含む)
近代文学を発展させた作家たちは様々な問題に取り組んでいた。表現体において「言文一致体」がその諸問題に対する解決案の一つであったが,近世から近代にかけて,文学の意味内容も吟味されるようになった。文芸的思潮の流れの中で「橋」は作中に数多く登場しているが,この頻出の原因は一体何だろうか。本書は,橋が登場している近代文学の複数の名作において,「橋」が如何に描写されているのか,その箇所が如何に作品全体の意味合いに貢献しているのかを調査するものである。イデオロギーなどを主題の一つとして取り上げる近代の小説家...
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『白痴』を読む

『白痴』を読む

清水孝純
定価 3,520円(税率10%時の消費税相当額を含む)
あまりにも鋭い人間的洞察力を与えられたとき,人間は白痴のように見えるのかも知れない。『白痴』の主人公ムイシキン公爵は癲癇という病気のもとに神秘的とまで見える洞察力をもって19世紀ロシアを遍歴する。近代の大都会に跳梁する道化群像の只中にあって,彼ひとり揺るがぬ魂のユートピアを願って生きる。しかし恐るべき愛憎の渦へと巻き込まれて破滅の運命をたどることになる。謙抑に満ち,人を裁くことのない無垢の魂が,何故悲劇をとどめ得なかったか。『白痴』という小説の謎はその一点にきわまるが,それは公爵のうちなる虚無の...
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「空間」のエリザベス朝演劇

「空間」のエリザベス朝演劇

川井万里子
定価 5,720円(税率10%時の消費税相当額を含む)
中世後期から近代初期へと移り変わる転換期の社会の諸相をダイナミックに描いたエリザベス朝演劇。本書では「空間」と人との関係に注目して,エリザベス朝演劇の代表的諸作品  『フェヴァシャムのアーデン』『優しさで殺された女』『錬金術師』『靴屋の祭日』『リア王』『シンベリン』『復讐者の悲劇』『ビュッシイ・ダンボア』『白悪魔』『チェンジリング』など  における私室,地域社会,都市,国家,宇宙,そして人間の内的空間まで,初期近代の激動期を生きるひとびとの空間認識の深まりを読み解く。 (さらに…)
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背表紙キャサリン・アーンショー

背表紙キャサリン・アーンショー

鵜飼信光
定価 3,740円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書はそれぞれ四章から成る「自己の中の外部」、「自己と外部」と題する二つの部で構成され、全体で七編の19世紀、20世紀のイギリス小説を考察する。 第一部の題「自己の中の外部」は、自覚的な意識が及ばない、自己の中のいわば外部である無意識を指している。今日私たちは、フロイトやラカンの高度に洗練された精神分析の知見の影響下にあるが、19世紀のイギリスの作家たちは、「無意識」についてもっと素朴な洞察を独自に持っていて、それを作品に描いている例があると考えられる。本書の第一部の目的は、個々の作品に固有の問...
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オーロラ・リー

オーロラ・リー

エリザベス・バレット・ブラウニング/小塩トシ子 訳
定価 5,060円(税率10%時の消費税相当額を含む)
時代は繁栄と貧困が際立つ対比をなすヴィクトリア時代。 ロンドン~パリ~トスカーナと舞台を移しながら繰り広げられる,3人の愛と別れ,そして感動のクライマックス。該博な古典の知識と思索を重ね19世紀イギリス詩壇で一世を風靡し,女性解放思想の旗頭ともなったエリザベス・バレット・ブラウニングの代表作の一大叙事詩が今ここに蘇る。 オーロラ・リー 幼くしてイギリス人とイタリア人の父母を失うも,自立と芸術の道を選んだ新進女流作家。ロムニー・リー オーロラの従兄で,先祖伝来の恵まれた地位と財産を貧民救...
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漱石とカントの反転光学

漱石とカントの反転光学

望月俊孝
定価 7,040円(税率10%時の消費税相当額を含む)
 「カントの超絶唯心論がバークレーの超絶実在論にどうだとか云つたな」。『三四郎』の問いから「則天去私」へ解釈の補助線を引いてみる。そして「経験的実在論にして超越論的観念論(カント)」から「明暗双双」に深まりゆく言語批判的な世界反転光学の道と、巽軒井上・西田・ジェイムズの形而上学的実在論との根本差異を凝視する。ここにプラトン=デカルト的な二元思考を革命的に転覆する、漱石の〈生死一貫〉のリアリズム詩学の源泉がある。  銀地のカバーに、黒地の帯。そこに銀文字で綴った上の紹介文からも読み取れる...
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テクストの誘惑 フィロロジーの射程

テクストの誘惑 フィロロジーの射程

岡崎 敦・岡野 潔 編
定価 2,200円(税率10%時の消費税相当額を含む)
 私たちは,いま,書物や情報をめぐる大きな変容のただ中にいる。インターネットの急速な発展は,紙媒体からデジタルへというメディアの変化だけではなく,テクストの読み方から人々のコミュニケーションにいたるまで,従来は想像もできなかった新たな地平を開こうとしているかのようにみえる。 ところで,情報やその意味をめぐって,人類は,太古の昔から多くの思索と経験を積み重ねてきた。なかでも,いくつかの地域で,今日「人文学」として認知されるに至った知の分野においては,とりわけ文字媒体に定着された情報の性格判定,読解...
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学術図書刊行助成

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