人文科学
An Optimality Theoretic Approach to the C-system and its Cross-linguistic Variation
- 定価 8,360円(税率10%時の消費税相当額を含む)
Wh-移動は生成文法を枠組みとした研究の中心的関心事であり,その言語差異も普遍文法を構築する上で重要視されてきた。この本は,従来の分析では説明が困難とされた英語のwh-移動に付随する統語現象とその言語差異に焦点を当て,帰納的に導き出した制約を基に構築した文法モデルを枠組みとして,最適性理論の観点からその言語多様性に直接且つ統一的説明を与え,その文法モデルの妥当性を検証しつつ,それがいかなる形で普遍文法に関わってくるかを理論的・実証的に明らかにするものである。 (さらに…)

ドイツ観念論との対決
- 定価 4,950円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ドイツ観念論(フィヒテ,シェリング,ヘーゲル,西田)と対決して,<超越論>・<形式的倫理学>から<内在論>・<実質的倫理学>へと従来のカント解釈を反転させる視点から,衰退しつつある現代の哲学・倫理学の再興の方途を提唱する。 (さらに…)

続 ジャン・パウル ノート
- 定価 3,740円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は十年余ジャン・パウルを翻訳してきた著者の解題を中心にした論考である。ジャン・パウルの作品を隅々まで理解した上で,カレンダーを利用したり,精神分析を応用したりして論ずる謎解きの味わいのある論考十二篇。 (さらに…)

人間文化基礎論
- 〔品 切〕(参考:本体価格 2,800円)
この書物は「文化の哲学」への序論として,出来る限り根元的・批判的に「文化とは何か」と問う試みである。かつてT.S.エリオットは「文化」という言葉が「一種の情緒的刺激剤あるいは麻酔剤」または文化の多様な要素のなかの一つを指す「一般名詞」としてのみ用いられていることを歎いたが,事情は今日でも変わっていない。本書がめざすのは,キリスト教的ヒューマニズムの光にてらして,様々の近代的な幻想や偏見に蔽われている人間文化の本質をつきとめることである。 (さらに…)

アンドレ・ジッド
- 定価 3,300円(税率10%時の消費税相当額を含む)
人間中心主義の具体的な顕れとして,アンドレ・ジッドの<営為=作品>には,その欠陥に至るまで今も疑いえない生命が息づいている。ジッド,それは生成・道程であり,活動し際限なく誕生する意識,すなわち存在する意識なのだ。ジッド研究の第一人者による最上の手引書。日本公演「ジッド研究の現状」を訳出付載,もって論究の十全を期す。 (さらに…)

よき死の作法
- 定価 3,520円(税率10%時の消費税相当額を含む)
人間の死は,死ぬ本人,家族や社会,また歴史や文化に関わる幾重にも積み重なる意味を担っており,「よき死」への願望と作法は歴史を通じて常に求められてきた。先の3冊の論集と同様に本書も共同研究の成果であり,多様な「死」の諸相をそれぞれの専門とする観点から論ずることで「死」の本質に迫ったものである。 (さらに…)

メリメの『カルメン』はどのように作られているか
- 定価 2,420円(税率10%時の消費税相当額を含む)
メリメ生誕200年におくる『カルメン』の新たな一解釈。著者は「神話」と化した『カルメン』受容を解体し,作品のもう一つの,実は基本的な意味を再構築する。まず説話学の観点より原作独特の重層的な構造を示し,それが「異性」(むしろ「他異性」と言おう)に刻印された世界,いわゆる異文化への接近のために必要な手法であったと説く。次いで著者は,従来メリメに関して十分に観察されなかったまさにこの「他異性」の主題を考察する。その構成や既知への還元法とともに,その機能および作動の仕方を分析し, 基本的に恋愛小説でも...

北部九州における弥生時代墓制の研究
- 定価 8,140円(税率10%時の消費税相当額を含む)
弥生時代の北部九州地域の墓制を素材とした,縄文から弥生への文化・社会構造の変化と階層的な社会場成立するプロセスの研究。甕棺葬の成立過程,支石墓の変遷と地域的な特色,墓地空間構造,副葬品にみられる階層性などの考古学的な分析を通して,弥生社会の構造を照射したものである。 (さらに…)

スペイン・ロマネスク彫刻研究
- 定価 13,200円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書はサンティアゴ巡礼時代の北部スペインの彫刻を,12世紀を中心に図像学,様式の面から分析・研究し,成果をまとめたものである。 序章において聖ヤコブ信仰成立の時代背景を解明し,本論ではアラゴン,ナバーラ地方の実地調査から得られた詳細なデータを提供する。わけてもウエスカの「聖シルウェステル伝」図像の同定はイベリア半島初見であり,著者の直感の冴えを認識させる。また,巻末資料,邦訳『巡礼案内記』は研究論文としても充分読み応えのある労作である。 長期間にわたり作品群に接してきた著者ならではの視点や考察...

内村鑑三のキリスト教思想
- 定価 4,400円(税率10%時の消費税相当額を含む)
明治以降最大のキリスト者,内村鑑三(1861―1930年)は,近代日本の多くの歴史的出来事(不敬事件,帝国主義批判,非戦論等)に関わっているが,本書では,その背景を形成するキリスト教思想に考察の射程を限定し,その核心と展開を解明する。札幌での入信以来終生維持される宇宙論的神の概念と米国アマスト大学で初めて獲得された贖罪信仰(十字架のキリスト),この二つの中心思想がどのように交わり,内村の壮年期のキリスト教思想を形成しているか,さらに,この思想がどのようにして晩年の再臨思想(終末論)へと発展してい...
