人文科学
日本文学の本質と運命
- 定価 7,700円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は日本文学が外来と土着,歴史と神話の二極のあいだをゆらぎながら自己構造化を進める過程と規定し,その永遠の主題が原初から失われている神話の再構築にあると主張するものである。すなわち,「古事記」から川端文学まで同じ主題を追求するものであり,ゆらぐことで自らのアイデンティティを保ってきた文学だというのである。そのような文学の理解には失われた記憶の再構築としての精神分析理論が有効であり,それを活用して古歌や俳句,あるいは近代小説の分析を行う。日本文学の根源的問題を追求し,その人類的意義を定めようとし...

文法化
- 〔品 切〕(参考:本体価格 6,000円)
「文法化」に関するはじめての入門書の邦訳。文法化に伴う変化について,世界の多くの言語をもとに,意味論的・形態統語論的・音韻論的な視点から総合的に検討を重ねる。原著者の注に加えて訳者注を設け,読者への便宜を図った。 (さらに…)

言語学からの眺望2003
- 〔品 切〕(参考:本体価格 3,600円)
総合的な言語研究を目指して,統語論,意味論・語用論,音韻論,形態論などの分野に関して,生成文法理論,認知言語学,日英対照研究など先端的かつ広範な分析法を含む24編の論文集。『言語学からの眺望』の続編として,福岡言語学研究会から発展した福岡言語学会による創立30周年記念論文集。 (さらに…)

An Optimality Theoretic Approach to the C-system and its Cross-linguistic Variation
- 定価 8,360円(税率10%時の消費税相当額を含む)
Wh-移動は生成文法を枠組みとした研究の中心的関心事であり,その言語差異も普遍文法を構築する上で重要視されてきた。この本は,従来の分析では説明が困難とされた英語のwh-移動に付随する統語現象とその言語差異に焦点を当て,帰納的に導き出した制約を基に構築した文法モデルを枠組みとして,最適性理論の観点からその言語多様性に直接且つ統一的説明を与え,その文法モデルの妥当性を検証しつつ,それがいかなる形で普遍文法に関わってくるかを理論的・実証的に明らかにするものである。 (さらに…)

ドイツ観念論との対決
- 定価 4,950円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ドイツ観念論(フィヒテ,シェリング,ヘーゲル,西田)と対決して,<超越論>・<形式的倫理学>から<内在論>・<実質的倫理学>へと従来のカント解釈を反転させる視点から,衰退しつつある現代の哲学・倫理学の再興の方途を提唱する。 (さらに…)

続 ジャン・パウル ノート
- 定価 3,740円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は十年余ジャン・パウルを翻訳してきた著者の解題を中心にした論考である。ジャン・パウルの作品を隅々まで理解した上で,カレンダーを利用したり,精神分析を応用したりして論ずる謎解きの味わいのある論考十二篇。 (さらに…)

人間文化基礎論
- 〔品 切〕(参考:本体価格 2,800円)
この書物は「文化の哲学」への序論として,出来る限り根元的・批判的に「文化とは何か」と問う試みである。かつてT.S.エリオットは「文化」という言葉が「一種の情緒的刺激剤あるいは麻酔剤」または文化の多様な要素のなかの一つを指す「一般名詞」としてのみ用いられていることを歎いたが,事情は今日でも変わっていない。本書がめざすのは,キリスト教的ヒューマニズムの光にてらして,様々の近代的な幻想や偏見に蔽われている人間文化の本質をつきとめることである。 (さらに…)

アンドレ・ジッド
- 定価 3,300円(税率10%時の消費税相当額を含む)
人間中心主義の具体的な顕れとして,アンドレ・ジッドの<営為=作品>には,その欠陥に至るまで今も疑いえない生命が息づいている。ジッド,それは生成・道程であり,活動し際限なく誕生する意識,すなわち存在する意識なのだ。ジッド研究の第一人者による最上の手引書。日本公演「ジッド研究の現状」を訳出付載,もって論究の十全を期す。 (さらに…)

よき死の作法
- 定価 3,520円(税率10%時の消費税相当額を含む)
人間の死は,死ぬ本人,家族や社会,また歴史や文化に関わる幾重にも積み重なる意味を担っており,「よき死」への願望と作法は歴史を通じて常に求められてきた。先の3冊の論集と同様に本書も共同研究の成果であり,多様な「死」の諸相をそれぞれの専門とする観点から論ずることで「死」の本質に迫ったものである。 (さらに…)

メリメの『カルメン』はどのように作られているか
- 定価 2,420円(税率10%時の消費税相当額を含む)
メリメ生誕200年におくる『カルメン』の新たな一解釈。著者は「神話」と化した『カルメン』受容を解体し,作品のもう一つの,実は基本的な意味を再構築する。まず説話学の観点より原作独特の重層的な構造を示し,それが「異性」(むしろ「他異性」と言おう)に刻印された世界,いわゆる異文化への接近のために必要な手法であったと説く。次いで著者は,従来メリメに関して十分に観察されなかったまさにこの「他異性」の主題を考察する。その構成や既知への還元法とともに,その機能および作動の仕方を分析し, 基本的に恋愛小説でも...
