社会科学 社会・民俗・風習
島嶼地域の新たな展望
- 定価 3,960円(税率10%時の消費税相当額を含む)
沖縄や太平洋島嶼地域に代表される小島嶼地域は,大国のスタンダードによるグローバリゼーションの中で常に世界の「周縁」に置かれてきた。しかし今,島々の個性と多様性が再評価され始めており,これらを通して島嶼地域の存在感を示すことによって「中心」へと躍り出ることのできる時代へと移行しつつある。本書では,沖縄や太平洋島嶼地域が抱える諸問題を解決し,未来の展望を切り拓くための具体的な方策を提言すべく,様々な分野の専門家が多角的にアプローチすることによって「新しい島嶼学」の構築を試みる。琉球大学国際沖縄研究所...
〈領域化〉する空間
- 定価 5,940円(税率10%時の消費税相当額を含む)
空間を境界づけ,場所を特徴づけるという意味での〈領域化〉と,多彩な風土や多様な人々という意味での「多文化」との関係を,パリの場末界隈や郊外団地,南仏プロヴァンス地方の農村やラングドック地方の港町,そしてフランス・オートサヴォワからスイス・ジュネーヴにかけてのジュヌヴォワの国境間地域を対象に,対話や出来事を重視するフィールドワーク,および図像分析や計量分析を組み込んだテクスト分析で明らかにする。そして,あまり知られていないフランスとその周辺地域の様相を関係的,動態的,多角的な視点で捉える。 (さら...
社会のなかの数理 [新装版]
- 定価 3,850円(税率10%時の消費税相当額を含む)
行列やベクトルの初歩を使い社会現象の仕組みを解明,社会科学の幅広い分野における行列代数の適用の有効性を多様な実例を通して示す。社会科学の専攻者で数理的方法に関心のある読者に待望の一冊。 (さらに…)
信念の呪縛
- 定価 9,680円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ケニア海岸部の諸社会においては、他人に神秘的なしかたで危害をもたらす「妖術」は、単なるファンタジーの対象ではなく、人々が日常生活において常に警戒し対処すべき中心問題の一つであった。それは今日なお周期的に発生する地域を挙げての「魔女狩り(抗妖術運動)」や、隣人や家族内での殺人などの深刻な社会現象をも引き起こしている。本書は、妖術信仰を伝統的/近代的という視点から解放し、条件がそろえば任意の社会にインストール可能な一種のプログラムのようなものとして捉え、それを構成する信念セットと実践系が具体的な人々...
新 患者の権利
- 定価 3,080円(税率10%時の消費税相当額を含む)
患者の権利運動の先導者・弁護士池永満の30年以上に渡る活動の軌跡。自己決定権,インフォームド・コンセント,カルテ開示,患者安全施策,WHO提唱の苦情手続きを日本に導入した患者の権利オンブズマン運動,さらには脳死・臓器移植問題,ハンセン病訴訟など1990年代以降の代表的論文や提言・活動記録を一冊に収録。「医療に心と人権を」という著者の遺したメッセージは安全 な医療を求めるすべての人に光を与えるだろう。 (さらに…)
「共災」の論理
- 定価 1,760円(税率10%時の消費税相当額を含む)
2011年3月の東日本大震災およびその後日本各地を襲った台風や集中豪雨による風水害など,今日においては誰もが自然災害による被害者・被災者・当事者となることを覚悟しなければならなくなった。本書は来るべき災害と我々はいかに向き合い,どのように受け入れ,そして立ち直っていくべきか,さらには災害による死者をどのように捉えればよいのかという問題に対して,「共災」という概念をもとに検討を加える。 (さらに…)
学際研究
- 定価 5,060円(税率10%時の消費税相当額を含む)
現代の学問のキーワードの1つは,学際性(interdisciplinarity)である。国際性が諸国家のつながりであることを意味するように,学際性とは諸学問のつながりを意味する。ここでいう学問とは専門分野(discipline)であり,自然科学,社会科学,人文学における個別の分野を指す(本書第4章)。著者であるレプコは,古代ギリシアから現代に至る専門分野の成り立ち,さらに学際性の持つさまざまな背景を踏まえ,具体的な学際研究のプロセスについて,主に大学生・大学院生を読者として意識し,解説している...
沖縄の社会構造と意識
- 定価 6,600円(税率10%時の消費税相当額を含む)
戦後60年を経た沖縄の社会構造と生活世界の現状をとらえるために行われた「沖縄総合社会調査2006」を,社会学的・社会福祉学的・マスコミ学的な視点から分析。共同研究によって沖縄県民の住民意識調査を行い, 統計的な情報を共有し, それに基づいて多様な角度からの分析を行う。同時に,二次利用として公開可能なミクロデータを構築することを目指し, 沖縄に関心をもつ研究者に大きく寄与する。現在における沖縄独自の優位性とは何かを問う。 (さらに…)
将来世代学の構想
- 定価 3,080円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は,哲学・倫理学,政治哲学,法社会学,経済学,医学,看護学,政策学,紛争解決学などの幅広い分野から「将来世代学」という新しい学問分野を構想するものである。各々の学問の現在の課題を将来世代への責任と人間の幸福という観点から検討・統括することにより,社会の総体に関わるパラダイムの再検討を迫る。 (さらに…)
都市交通政策概論
- 定価 4,180円(税率10%時の消費税相当額を含む)
近年,道路整備,自動車の燃費向上等によって都市の自動車交通問題は解決方向に向かいつつあるように見えるが,都市における交通渋滞,事故,環境問題,公共交通(軌道系公共交通,バス)の赤字問題等が根本的に解決しているわけでない。本書はこうした問題を個別的に検討するとともに,全体として自動車と公共交通の「バランス」はいかにして実現しうるかを検討している。具体的には自動車の適正な費用負担の重要性を述べるとともに,ヨーロッパやアメリカの都市構造を検討しながら分散型都市構造および大都市依存型都市構造の見直しの必...