社会科学 社会・民俗・風習
家族の起源〔増補版〕
- 定価 4,180円(税率10%時の消費税相当額を含む)
エンゲルスの古典を現代民族学から検証し,その再構築を期す。共同体を視野に入れた著者独自の比較家族史学の成果。増補版では,アメリカの人類学者マーヴィン・ハリスの理論を参照し,「女子労働の発展と家父長制の止揚」の命題を掲げ,混乱せる現代家族の状況を分析する。 (さらに…)
ジェンダーの民族誌
- 定価 9,020円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ボントック社会では制度や規範といった面で柔軟なところが多く,現実の問題や社会の変化に応じさまざまな対応をする。そこでは女性たちが主体的,戦略的にその役割を利用し,状況に応じて新たな役割を創りだしていくことができる。このような社会で,経済活動の主たる担い手として重要な位置を占める女性たちがどのような社会的地位を与えられているのか,あるいはどのような役割が新たに創りだされていくのか,ジェンダーというものを女性だけの問題としてではなく男性との関係において社会全体の枠組みのなかでとらえることによって,民...
現代高校生の規範意識
- 定価 3,080円(税率10%時の消費税相当額を含む)
青少年の世界で,「メルトモ」「プチ家出」「援助交際」という言葉が市民権を得,少年犯罪の低年齢化が進むとともに,若者のモラルが問われるようになった。本書は,高校生・高校教師の意識調査の計量分析を通して,現代高校生の規範の実態を浮き彫りにしている。計量分析から明らかになるのは,若者における規範意識の変容と,いわゆる進学校における「新しい保守意識」の誕生である。意識調査の社会学的なデータ分析から得られた知見は,教育現場で高校生と向き合っている高校教員に基礎資料を提供するとともに,現代の若者の問題への取...
宗教と社会と文化 2
- 定価 13,200円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は,西欧文化の中核を構成するカトリシズム,カトリック文化の構造と機能と分有の姿を,その日常生活の姿の中で明らかにしていこうとするものである。メキシコのカトリック村落,トラホムルコでの現地調査や実験的研究によって観察・分析していく。カトリシズム,カトリック文化という宗教現象の姿を,その根底からの全体的な姿で文化全体の中で取り扱い,トラホムルコの空間構造,時間構造,社会構造を分析し,その人格構造及びメンタリティをも明らかにしていく。 (さらに…)
高齢社会
- 定価 3,520円(税率10%時の消費税相当額を含む)
高齢社会の抱える課題は,極めて多面的な対応が求められる。医療や福祉,高齢者のQOLを支える社会構築,権利擁護の法的整備,テクノロジーによる多様な支援の充実。本書の発刊母体である熊本大学高齢社会総合研究プロジェクトは,全学横断のメンバー構成に在野の専門家も交え,高齢社会における尊厳の実現と地域の再生という課題を共有して,それぞれの専門分野からする学際的な研究と実践を展開してきた。 本書は,日本の大学では初めて発足した,学際的老年学(Gerontology)プロジェクトの成果を世に問う成書である。...
祈りと祀りの日常知
- 定価 8,250円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は,聖人像を祭祀する小聖堂のフィエスタ,カトリック儀礼の聖週間,また個人的信奉の諸実践や,呪文祈祷書(オラシオネス)と精霊観念を基とした呪術的治療者(メレコ)の諸活動,精霊にまつわる様々な経験譚などを通して,ビサヤ民俗社会を知識という観点から叙述した民族誌である。 (さらに…)
憑依と語り
- 定価 6,380円(税率10%時の消費税相当額を含む)
アフロアマゾニアン宗教,すなわち黒人奴隷制と天然ゴムブームがブラジル・アマゾンで生み出した,著しく混淆的なアフリカ系憑依文化のエスノグラフィー。「深層の心理」ではなく「表層の語り」に照準し,アイデンティティ,歴史,語りのあいだの相互反照的関係の密林に分け入り,憑依文化の人類学的分析の新たな可能性を拓く。 (さらに…)
社会学
- 定価 2,200円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は,大学,短期大学,専門学校などで社会学概論を学習する際に,テキストとして実際に役立つことを念頭において編集された。ページ数の多い大きな著作は講義時間内ではとてもこなしきれない。加えて価格も高くなり,学生も購入しにくくなる。そのため本書では,ページ数や価格を抑えると同時に,内容的にも社会学の入門書として必要十分なものとなるよう,構成等の工夫を凝らした。執筆陣は主として若手研究者であり,その分内容的にチャレンジングなものとなっている。これら執筆陣をうまくまとめあげているのが長年にわたって社会学...
噴火のこだま
- 定価 5,720円(税率10%時の消費税相当額を含む)
1991年6月のフィリピン・ピナトゥボ山の大噴火は,20世紀最大級の規模であった。もっとも深刻な被害を受けたのは,ピナトゥボ山麓一帯で移動焼畑農耕を生業として暮らしていた先住民アエタであった。本書は,被災したアエタたちの,10年にわたる生活再建の歩みと,NGOの関与についての記録である。とりわけ,噴火を契機として,彼らが先住民としての自覚を強め,民族として新生していった経緯について明らかにする。 (さらに…)
バイカルチュラリズムの研究
- 定価 10,450円(税率10%時の消費税相当額を含む)
国境を越える人の移動が地球規模で展開する今日,異なる言語・文化のはざまで暮らす人々が増えている。その生活世界の構造とはどのようなものか。本書は子どもたちに焦点を合わせて,文化人類学の視点からその構造の理論的,実証的解明を試み,異文化間教育学の可能性を探る。 (さらに…)