総合管理学の現在地
- 定価 4,950円(税率10%時の消費税相当額を含む)
新しい時代を切り開く学術研究および教育・社会的活動を行う学部として創立された熊本県立大学総合管理学部は、2024年度に創立30周年を迎えた。この30年、社会情勢には様々な「変化」「変容」がみられるが、総合管理学部の陣容も30年の年月を経て大きく様変わりした。組織体制の面では、専門分野に基軸を置きつつ学際的教育研究を充実させるため、2024年4月から専攻制(公共・情報・ビジネスの3専攻)がスタートした。本書は総合管理学部創立30周年にあたり、学際性・総合性(学問領域の横断と統合)と現実的課題の解決...
中国近代における「国語科」の創成
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近代国民国家では、言語の共有化、「共通語」、「国家語」の形成によって国家に対する帰属意識とそれぞれが言語を通じてつながり合う共同体意識を育む必要がある。そこで重要な役割を果たすのが国語教育である。中国近代でも、教育予算の十分な確保や政策の全国的普及に多くの難題を抱える一方で、国際的な新教育運動を背景に近代的な学校教育制度の確立が模索されていた。なかでも、1922年の壬戌学制を受けて編成された「新学制課程標準綱要」は、文字通り「Curriculum Standards」として校種間の接続が意識され...
日本式教育の海外展開とインパクト
- 定価 5,280円(税率10%時の消費税相当額を含む)
高等専門学校いわゆる「高専」は近年、アジア各国で注目され、高専をモデルにした教育機関が相次いで設立されるようになっている。海外展開については日本の高専も積極的な支援や協力をしており、KOSENは高専教育の代名詞ともなっている。また学力の習得に加えて徳育を重んじる日本の教育内容や教育方式は、海外で高く評価され、日本式の国際学校も設立されている。こうした日本式教育の輸出と輸入に際しては、受入国の教育文化風土を尊重するともに、受入国の教育行政においては日本式教育をベースにしながらも、自国の伝統を踏まえ...
これで使える実践Webスクレイピング
- 定価 2,970円(税率10%時の消費税相当額を含む)
インターネットの普及と定着は、膨大な量の情報の流通をもたらしました。さまざまな分野で膨大な情報が活かされ、私たちの生活はとても便利になり、インターネットは現代生活に欠かせない存在となりました。しかし他方で、流通する情報があまりに膨大なため、その中から必要な情報を手作業で収集することはほぼ不可能となりました。なんとか情報を収集できたとしても、情報量がとても多く、データ分析によって全容を把握することも難しくなっています。 このような膨大な量のデータの取り扱いは、大まかに収集と分析に分けられます。本書...
現象とデータから学ぶ 使える!化学熱力学
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本書は、長大になりがちな熱力学自体の説明をコンパクトにまとめ、物理法則ではなく、物質と現象を話題の中心とすることで、初学者が「化学熱力学を使う」ことへのハードルを低くし、「使い方を身につけること」に的を絞った、新しいタイプのテキストである。 熱力学の枠組みを現代的な視点で説明する第1章、実際の現象やデータをもとに化学熱力学の使い方を直感的に学ぶ第2章、モデルを使って現象の理解を深める第3章で構成される。初歩的な微積分の知識があれば、大学初年度の学生でも読み進めることができる。第1章冒頭の「かんた...
人新世とツーリズム
- 定価 4,950円(税率10%時の消費税相当額を含む)
人新世とは何か。 今や、自然科学だけではなく社会・人文科学の分野から人新世に関する議論が活発になっている。本書は、「人新世という時代に私たちはいかに生活し、地球システムをいかに維持していくべきか。また、地球を改変する力、営力となったツーリズムは人新世時代にどう向き合うべきか」を問うたものである。 第1部「人新世という時代」では、人新世議論の発端となった2000年、2002年のクルッツェンらの報告を紹介し、産業革命以後の人新世時代を3つのステージに分けて、その歴史的変遷を概観する。そして、クルッツ...
分権国家スイスの制度改革
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スイスにおいて連邦主義の新たな活性化策(「連邦政府とカントンの間の役割分担と財政調整の再構築」)が2008年から実施されている。その四支柱は、連邦政府とカントン(州政府)の間での役割分担の再構築、連邦政府とカントンの間の垂直的連携、州政府間の水平的連携、垂直的・水平的財政調整である。本著では、制度の紹介と初期成果の分析に焦点を置いている。 改革に当たっての基本的な方針は、カントンの主体性の確保、補完性の原則、財政一致の原則(意思決定者・受益者・費用負担者を一致させること)、中立性の原則(四支柱の...
タマリンドの木に集う難民たち
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2013年12月、南スーダンの首都ジュバで生じた政治家同士の対立がもととなった武力衝突は、瞬く間に南スーダン全土を巻き込む内戦と化した。一民族をターゲットとした「ジュバ虐殺」の後、人々は国家から押し付けられた「民族対立」の中を生きている。今なお200万人以上の南スーダン人が、国内外で難民としての生活を余儀なくされている。 「ジュバ虐殺」から10年 虐殺を生き延びた南スーダン、ヌエル社会の人々は、隣国ウガンダで難民としての新たな生を営み始めた。難民とは、果たして私たちがイメージするように、脆弱で...
焚き火の脳科学
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コロナ禍にキャンプにハマり、焚き火の魅力にとりつかれた脳科学者。焚き火に癒やされた彼は、この癒やしを自分の専門である脳科学で解明できないかと考え、焚き火に当たりながら自分の脳波を測定するという前代未聞の実験を思いつきました。脳科学の実験というものは、余計な刺激を遮断できるよう管理された環境下で行われるもので、自然の中でこんな実験をした科学者はいなかったのです。本書は、様々な困難を乗り越えてキャンパス内で脳科学実験を行い、これまで科学的に確かめられてこなかった焚き火の効果を明らかにしようとした科学...
長崎平戸の宗教地誌
- 定価 5,940円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ユネスコの世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」には、九州北西部の島々が多数含まれている。これらの島々には長い間、「二つのキリスト教」が存在してきた。その島の一つが、長い歴史の中で世界と直接繋がり、日本史の表舞台にもたびたび登場してきた長崎県の平戸島である。 平戸島とその周辺地域には、在来の神道や仏教の諸宗派はもちろんのこと、かつての潜伏キリシタン、カトリック教会、修験道の山伏、琵琶法師の一流派、新興宗教系のシャーマンなど、実に魅力的で多種多様な宗教的要素が今日まで複雑に同居してきた...