人文科学
British Romanticism, Slavery and the Slave Trade 1780s to 1830s
- 定価 8,800円(税率10%時の消費税相当額を含む)
18世紀ヨーロッパ文化の暗部を支えた奴隷貿易,特に英国における奴隷貿易廃止運動を背景に,第一世代のイギリスロマン派詩人(コールリッジ,サウジー,ワーズワース,ブレイク等)の文学的感覚と社会的感受性が,彼らの宗教的,政治的,哲学的思索を総動員し,いかにそれに関与したかを考察。ウィリアム・ウィルバフォース,トマス・クラークソン等の奴隷貿易廃止論,イギリス議会における論争,白人を人種階層のトップに位置づける人種理論,キリスト教思想との関係も視野に入れ,ロマン主義文学の感性が複雑な社会的精神的葛藤の中で...
麻生太吉日記 第一巻
- 定価 11,000円(税率10%時の消費税相当額を含む)
太吉円熟期の50歳を迎える年に日記は始まる。炭鉱業の順調な発展とともに、このころすでに進出を始めていた電力事業への傾注が注目されるほか、地域においては飯塚病院や山内農園の設立などに携わっている。またこの巻の特色として、出張中の日記も記されていて、東京や京阪地区における滞在活動も窺える。 (さらに…)
役に立つ英語口語表現集
- 定価 2,200円(税率10%時の消費税相当額を含む)
「使える英語」を念頭においた,口語表現に関する問題集。日常生活でよく使われる口語表現,熟語,ことわざなどを収録。空欄補充の問題を通して英語の口語表現の定着を図れるようになっている。 (さらに…)
フラメンカ物語
- 定価 4,180円(税率10%時の消費税相当額を含む)
「フラメンカ物語」は13世紀フランス中南部地方の方言であるオック語で書かれた作者不詳の韻文風俗物語であり,現存する中世オック語作品群のうちでも資料的価値・文学的価値ともに「文句なしの一級品」である。フランス南部カルカソンヌの市立図書館に残る唯一の写本をもとに訳出された八千余行にわたる詩句の厳密な考証と分析に基づいた訳文は,一般の読者にも親しみやすい現代語訳となっており,きわめて明解である。 美しきフラメンカを娶ったブルボンの領主アルシャンボーは,その結婚披露宴での些細な出来事から嫉妬に駆られ,彼...
音楽と映像のマルチモーダル・コミュニケーション[改訂版]
- 定価 3,960円(税率10%時の消費税相当額を含む)
テレビや映画で鑑賞する映像作品は,日常あまり意識されないが,映像だけでは成り立たない。必ず,音を伴っている。本書は,そんな映像の中の「音楽」や「効果音」に焦点をあてた研究書である。音楽や効果音が加わることで,映像はより印象的になり,感動が増大する。映像の力で,音楽の感動を高めることができる。本書は,音と映像が組み合わさることによって得られる相乗効果を体系的に論じ,映像の中の音のデザイン手法を提示するものである。 (さらに…)
バンジャマン・コンスタン日記
- 定価 10,340円(税率10%時の消費税相当額を含む)
バンジャマン・コンスタン(1767-1830年、国葬)の1804-16年(36-48歳、途中3年半の空白)にわたる「日記」は、ナポレオン帝政から第二次王政復古に至る動乱の時代を鮮やかに描き出し、政治家コンスタンの複雑な軌跡を浮かび上がらせる。ゲーテ、シラー、シェリング、シュレーゲル兄弟といった当代一流知識人との交流、ヨーロッパ各地の宮廷・サロンに集う貴顕紳士への辛辣な人物評、ライフワークとなった宗教思想史執筆過程の詳細な記述から、思想家としての思索の跡を辿ることができる。さらに恋愛のマキャヴェリ...
医療の本質と変容
- 定価 4,180円(税率10%時の消費税相当額を含む)
生命倫理学の登場以来,医療倫理に関わる問題として医療者と患者の関係,患者の自己決定の権利,インフォームド・コンセント,生殖医療,移植医療,終末期医療,医療者の職業倫理,ケアのあり方,医療資源の配分,倫理委員会のあり方等々とともに,それらを論じる倫理的原理や法について問われてきた。その際,治療とはいかなることか,医療とはそもそもいかなることであるかは,多くの場合,暗黙の了解とされてきた。しかし,最近のエンハンスメント問題への注目が示唆するように,そうした暗黙の前提が揺らぎ始めており,医療の本質を問...
アウグスティヌスと東方教父
- 定価 3,520円(税率10%時の消費税相当額を含む)
現代は,人間と自然,生命などをめぐって多くの困難な問題が山積している時代である。しかし,そうであればこそわれわれは,問題の歴史的かつ本質的な根源に遡って,「人間・自己とはそもそも何か」,「自然ないし自然・本性とは何か」ということについて根本的に問い直してゆくことが必要であろう。本書は,西洋精神の礎であり支柱である教父たちの文脈に即して,人間,自然そして神をめぐる主要なテーマを重点的に吟味し探究したものである。アウグスティヌスと東方教父との両者を視野に収め,それぞれに特徴のある,しかも同根源的な「...
東アジア世界の交流と変容
- 〔品 切〕(参考:本体価格 2,000円)
九州大学文学部の教授陣が,東アジアの社会と文化の成り立ちを平易に解説する。そこでは「交流と変容」を共通のキーワードとして,歴史学・考古学・地理学・文学・美学・哲学・言語学など様々な観点から,多様なトピックスをとりあげる。これを通じて,東アジア各地の社会と文化の多様性が,不断の相互交流を通じて歴史的に形成されてきたものであり,いまなお変容し続けていることが示される。複雑な東アジア情勢の過去と現在を理解し,そして未来を見通すには,そうした社会と文化の流動性と多様性を柔軟に感じとる感性と,多角的に物事...
ローマ帝国の食糧供給と政治
- 定価 5,060円(税率10%時の消費税相当額を含む)
「パンとサーカス」という言葉に代表されるように古代ローマ帝国においては,皇帝はじめ支配層にとり穀物供給問題は最重要課題の一つであった。本書は食糧供給を分析対象として,ローマ社会が本来的に備えた統治の特質と,帝国形成期におけるその変容過程を解明するものである。共和政政治史の緻密な整理の上で,共和政末期および帝国初期の食糧供給のあり方を明らかにし,帝政期に元首が掌握した穀物供給のための巨大な権力が,既に共和政末期に形成されつつあったことを明らかにする。共和政末期から帝国形成期における統治構造の変容を...