人文科学
異文化の中の郭沫若
- 定価 7,700円(税率10%時の消費税相当額を含む)
郭沫若は日本と深い関わりを持つ現代中国の文学者であった。彼は大正3年から12年までの間日本に留学していた。この十年間,彼は西洋医学を勉強しながら文学者への道を歩み,日本という異文化の中で同時代中国の新詩の流れを変えてしまうほどの文学巨人に成長した。もともと医学生の彼は何故詩人になったのか,異文化の狭間にいる彼は日本でどんな思想に接し,精神的にどんな滋養を吸収していたのか。青天の霹靂のように中国新詩壇を震撼させた彼の処女詩集『女神』を育んだ創作環境と詩人の精神風土は未だに解明されていない。 本書は...

英国バラッド詩60撰
- 定価 7,700円(税率10%時の消費税相当額を含む)
バラッド詩(Literary Ballad)とは,庶民の叙事詩である英国伝承バラッド(Traditional Ballad)の様々な要素の模倣とそこからの発展によって生まれた,職業詩人たちによる作品をいう。本書は,18世紀から20世紀前半にわたる代表的な作品を収めた,日本初の本格的なバラッド詩のアンソロジーである。各時代ごとに15篇を選定し,合計59名の詩人による60作品に,バラッド詩の系譜における位置付けを中心とした解説と語註を付した。バラッド研究の基礎資料であり,バラッド詩とは何かを提示した...

主体感覚とその賦活化
- 定価 3,740円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は,ジェンドリンの体験過程療法から出発して,心理療法における体験の変化について著者独自の理論と技法を展開したものである。心理療法の過程でのクライエントとセラピスト双方の「主体感覚」(体験に伴う自律性の感覚)の変遷に注目し,「主体感覚の賦活化」に焦点をあてた理論・技法を,従来の体験過程療法よりもさらに広い範囲の事例に適用可能なものとして提案している。 (さらに…)

彗星
- 定価 8,360円(税率10%時の消費税相当額を含む)
『彗星』はジャン・パウルの最後の長編小説である。その喜劇的構成は『ドン・キホーテ』を淵源とし,『詐欺師フェーリクス・クルル』につながるもので,主人公の聖人かと思えばそうでもない,侯爵かと思えばそうでもない,二重の内面の錯誤の劇が描かれる。 (さらに…)

ヒトの生命と人間の尊厳
- 定価 3,300円(税率10%時の消費税相当額を含む)
生殖医療・遺伝子改変等の広範な領域におけるキーコンセプトとしての「ヒト胚の道徳的地位」,種々の宣言等で使用されながら意味が曖昧な「人間の尊厳」を多角的に考察する。 (さらに…)

修辞学の技術
- 定価 4,180円(税率10%時の消費税相当額を含む)
英語による最初の総合的修辞学書である本書は,エリザベス朝期前夜に出版され,やがて迎える英国文芸の隆盛に多大の影響を与えたと言われる。歴史的に重要な本書は古典修辞学にならい,話題の発見,配列,表現法,記憶術,演説法の5項目を豊富な例を挙げて詳述する。弁論述と詩学の両面で本書がもつ意義は大きく,特に16世紀英国において広く利用されたこの英国修辞学の源泉を,わが国で初めて翻訳し,解説を付して紹介する。 (さらに…)

ファンタジーの世界
- 定価 3,080円(税率10%時の消費税相当額を含む)
文学部の学生が専門の勉強に入る前に,あるいは専門の勉強と平行して,文学部の多様な学問領域の対象や方法を概観し,それらの根底をなす人文学的精神に触れ得るような,専門分野の枠を越えた文学部共通の教育ができないだろうか。 九州大学,東北大学,金沢大学,名古屋大学,神戸大学の各文学部が協力して取り組んだ「文学部の学部共通教育に関する研究・開発プロジェクト」の成果として,「文字をよむ」,「ファンタジーの世界」の2冊の教科書を刊行した。 本書「ファンタジーの世界」では,「現実の感覚に起源を持ちつつ心の中に...

文字をよむ
- 定価 3,080円(税率10%時の消費税相当額を含む)
文学部の学生が専門の勉強に入る前に,あるいは専門の勉強と平行して,文学部の多様な学問領域の対象や方法を概観し,それらの根底をなす人文学的精神に触れ得るような,専門分野の枠を越えた文学部共通の教育ができないだろうか。 九州大学,東北大学,金沢大学,名古屋大学,神戸大学の各文学部が協力して取り組んだ「文学部の学部共通教育に関する研究・開発プロジェクト」の成果として,「文字をよむ」,「ファンタジーの世界」の2冊の教科書を刊行した。 本書「文字をよむ」では,さまざまな文字,およびそれに準ずる素材を取り上...

ピューリタン神権政治
- 定価 3,190円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ニューイングランド植民地成立の経緯,政治機構,信仰形態,民衆の生活状況を,当時の資料に基づいて検証。政治的・宗教的対立・抗争,底辺労働者の実情,権力への抵抗,超法規的流れ者,制度攪乱を企てる異端者犯罪と刑罰の真実を探る。 (さらに…)

野生の信徒 木下尚江
- 定価 5,720円(税率10%時の消費税相当額を含む)
20世紀初頭の日本社会を根本的に批判した「野生の信徒」木下尚江(1869―1937年)。その純白の民主主義,共産主義的な社会主義,信仰の平和主義の思想の構造を解明する。その崩壊後,宗教改革をめざし,非戦論と民権論を最後に唱えようとした思想の軌跡を辿る。 (さらに…)
