人文科学
フレーゲの論理哲学
- 定価 6,820円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は「論理学は数学の青年時代であり,数学は論理学の壮年時代である」ということを実証しようとしたフレーゲの栄光と挫折を追跡し,この論理主義の主張が部分的に正しいことを,実際に論理学から算術を導出することによって確認する。 (さらに…)
フランス中世都市制度と都市住民
- 定価 6,380円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ヨーロッパ経済が成長局面から「危機」局面へと移行した13―15世紀,都市住民はどのように生き,そして困難を乗り越えたのか。シャンパーニュ地方の都市プロヴァンを舞台に,都市会計簿などの未刊行・刊行史料を用いて,都市行・財政制度の諸側面に迫る。 (さらに…)
ヘルダー 旅日記
- 定価 6,380円(税率10%時の消費税相当額を含む)
自伝的記述から文学,歴史,教育までも含む『旅日記』は著作家ヘルダーの核心を呈示しているのみならず,ヨーロッパ啓蒙主義という18世紀の大きな時代思潮の中を旅するドイツの知識人の姿を鮮明に伝えている。詳細な訳注,書簡,説教,詩など作品理解を深める資料も収めた『旅日記』の決定訳。 (さらに…)
The Twilight of the British Literary Ballad in the Eighteenth Century
- 定価 10,120円(税率10%時の消費税相当額を含む)
イギリスの口承物語歌「バラッド」は18世紀になって盛んに蒐集されるようになった。それとともに民族の遺産としてのバラッドの持つ魅力に多くの詩人たちが注目するようになり,「バラッド詩」と呼ばれる独特の模倣詩が生まれた。本書は,生成期の18世紀バラッド詩の模倣と逸脱をめぐるわが国最初の本格的な論考であり,Appendixに添えた 'Poets on the Ballad' は,今後のバラッド詩研究を支える重要な資料集である。 (さらに…)
筑肥国境脊振山争論文書
- 〔品 切〕(参考:本体価格 2,400円)
江戸時代,天和,貞享,元禄年間にわたって筑前と肥前が争った脊振山の境界論争は,元禄六年,幕府の評定所による裁許により肥前側の全面勝利という形で決着をみた。この争論に関しては,福岡藩が完敗したためか福岡側には文書がほとんど残っておらず,これまでは佐賀側のいわば勝者側の史料によって考察するほかなかった。 しかし今回,実際に折衝にあたり,情報の収集にあたった筑前側の村の史料が発見された。この史料は,肥前側当事者および福岡藩との間で交わされた文書,私人または百姓代表から庄屋への情報等,多岐にわたる。この...
Case Marking and Verb Morphology in Early Syntactic Development
- 定価 8,140円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は,英語における格体系の獲得の初期発達段階にある子供の観察を通して,非主格主語の現象を動詞の屈折形態の発達と関連づけて分析するものである。発話の詳細な分析の結果,主語の位置で用いられる主格,属格,対格の形態をもつ代名詞の振る舞いは,規則性をもっており,大人の文法で見られるのと同じ素性照合のメカニズムによって認可されると主張する。この非主格主語の現象は,代名詞や動詞の形態変化が豊ではないという英語の特性に起因すると論じ,このことを示すことによって,主語として用いられる主格,非主格形態の代名詞...
江戸俳諧史論考
- 定価 4,180円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は,蕉風俳諧が享保期の江戸の地に広がり,大きく展開していく様相を初めて描き出したものである。第一部の三章「誠と作意」「親句疎句」「伊達」では,水間沾徳の研究を通して,新しい俳観史観を提示し,第二部の江戸俳人の研究では,俳人の伝記研究が,そのまま江戸俳諧の実相を浮かびあがらせるものとなっており,大名の点取俳諧については,新しい研究領野に,初めて手が加えられたものである。 (さらに…)
Negative Constructions in Middle English
- 定価 7,700円(税率10%時の消費税相当額を含む)
いわゆる中英語の時代に英語は大きく変容した。中英語期は,ゲルマン語の特徴を少しずつ失いながら,言語の仕組みを再編成して,近代英語への橋渡しをする時代である。否定構文についても,古英語から受け継いだneが衰退し,一方でnotが確立する重要な時期にあたる。本書は,否定構文の発達を中心に,中英語の多様性と英語史における意義を考察する。 (さらに…)
形式語の研究
- 定価 3,080円(税率10%時の消費税相当額を含む)
内容語が機能語に変化するとき,意味はどう変化するのか。筆者は,具体から抽象に変化する抽象化,もとの意味の一部が抽出される抽出化,もとの意味が失われる意味の希薄化の三つを明確に提示する。さらに,抽象度を表す証拠(可能性,可視性,触知性),抽象化のメカニズム(「もの」が「空間」に,「空間」が「時間」「こと」「質」になる)など,筆者独自の新たなる発見が随所にちりばめられた,珠玉の書である。 (さらに…)
ケア論の射程
- 〔品 切〕(参考:本体価格 3,000円)
「ケアからキュアへ」が象徴するように,現代においてケアは医療や福祉の領域で重要な位置を占めつつある。また,80年代初頭での「ケアの倫理」の登場以来,倫理学の領域でもケアに関する議論が盛んである。本論集では,哲学,倫理学,日本思想,社会学,看護学の立場から,ケアについての原理的な事柄と制度的問題とを連関させつつ論ずることで,現代におけるケア論を展望してみた。 (さらに…)