自然科学 工学
溶融塩の性質と利用
- 定価 9,900円(税率10%時の消費税相当額を含む)
溶融塩は、高温安定性、酸素や水蒸気との低反応性、水と同程度の粘性、高いイオン伝導度や熱伝導度に優れた材料である。使用温度に合わせたいろいろな融点の溶融塩を提供できるため、原子力、水素、太陽熱、電力を結びつけることを目的に、原子炉の高温冷却材や太陽熱蓄熱材、高温作動燃料電池電解質材料、水素製造用熱媒体など多方面への利用可能性が期待されている。また、フッ化物塩や塩化物塩だけでなく、硝酸塩や硫化物塩の酸素酸塩などの多様な塩の組み合わせにより、多様な性質を発現する可能性に満ちた材料でもある。 本書では、...
液体ロケットの構造システム設計[改訂版]
- 定価 4,400円(税率10%時の消費税相当額を含む)
日本の液体ロケット開発は、アメリカから導入されたデルタ・ロケットの技術を基礎としてスタートした。デルタ・ロケットは元々中距離弾道ミサイルとして開発されたロケットであることから、導入した液体ロケット技術は日米政府間協定により、開発に関わった政府機関および企業以外には開示することが禁止されている。また、その後の自主開発技術についても、導入技術との関係で一部を除き公表されていないのが現状である。 そこで、日本がアメリカから導入した液体ロケット技術と同等と考えられる設計技術として、サターン・ロケットおよ...
次世代エンジニアを育てる自己決定学習の理論と実践
- 定価 5,500円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書の目的は工学系の学部教育や企業における能力開発において自己決定学習が果たす役割と効果を理論的および実証的に明らかにすることにある。自己決定学習とは学習者が学習内容の決定に関わる学習である。米国の工学教育の改革の歴史とそれによってもたらされた教育のイノベーションに照らせば、わが国の大学のエンジニア育成は学習に対する学生の自立と責任の意識の涵養とそれによる学習の個別化を重視してきたとは言い難い。この課題を克服するためのすぐれた学習方法が自己決定学習である。 本書では筆者の長年の研究に基づき学部教...
Building Catholic Churches in Hong Kong
- 定価 14,300円(税率10%時の消費税相当額を含む)
世俗化した近現代における「宗教」、「信仰」、「宗教建築」、そして「信徒」とは何か。この大きな問いに、本書は香港というひとつの事例の全容を提示しつつ、世界史的に位置づける。 意外にも香港には、カトリック信者が多い。香港の信者数は、日本全体の信者総数よりも多い。この背景には、カトリック教会が社会的に担ってきた役割の大きさがある。イギリスは19世紀に香港を植民地とした後、教会に教育・福祉サービスを担わせた。この見返りというかたちで、多くのカトリック教会堂が政府助成を受けて建設されるようになった。 カト...
明治期熊本の洋風建築史
- 定価 6,930円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は、明治期に熊本県内で造られた近代化遺産を含む洋風建築について網羅的に調査した結果を、時代背景も含めながら叙述し、写真や図面を用いて明治期熊本における洋風建築の歴史を明らかにするものである。明治期に日本にもたらされた洋風建築は、熊本においてはまず長崎から伝播し、数年遅れて明治政府の統治機構の整備に伴い東京からも伝搬した。長崎から伝わった洋風建築の系譜は、やがて東京から伝わった洋風建築の系譜に飲み込まれていった。このような熊本における洋風建築流入の系譜を体系的に網羅し、通史として示すとともに、...
現代語訳 石造アーチ設計法
- 定価 6,380円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は、コンクリートアーチが本邦に導入される以前のアーチ構造に用いられていた、石造アーチ設計の入門書(明治40年刊)を現代語に翻訳したものである。 原書は石造アーチ設計に必要な基礎知識の修得を目的に書かれ、石造アーチに関連する材料力学・構造力学や土質力学を中心とした、明治時期の海外文献・書籍・資料を翻訳し、石造アーチの設計技術者向けにその基礎的な理論が解説されている。 本書では、明治期の句読点のないカタカナ混じりの漢文体で書かれた原書を、現代の体系化された材料力学・構造力学・土質力学に則った専門...
香港カトリック教会堂の建設
- 定価 8,580円(税率10%時の消費税相当額を含む)
世俗化した近現代における「宗教」、「信仰」、「宗教建築」、そして「信徒」とは何か。この大きな問いに、本書は香港というひとつの事例の全容を提示しつつ、世界史的に位置づける。意外にも香港には、カトリック信者が多い。香港の信者数は、日本全体の信者総数よりも多い。この背景には、カトリック教会が社会的に担ってきた役割の大きさがある。イギリスは19世紀に香港を植民地とした後、カトリック教会に教育・福祉サービスを担わせた。この見返りというかたちで、多くのカトリック教会堂が政府助成を受けて建設されるようになった...
鉱物資源問題と日本
- 定価 3,080円(税率10%時の消費税相当額を含む)
世界は鉱物資源問題(枯渇問題・環境汚染問題・利害対立問題)をどう解決していくのか、その中で日本が果たすべき役割は何か。また、ほとんどの鉱物資源を輸入に依存する日本は、それらをどのように確保していけばよいのか。本書は日本に対し、問題解決のための6つの事業の実施を提案するものである。 ・南太平洋諸国の排他的経済水域で深海底鉱物資源の商業的生産を行う ・ボーキサイトやラテライトから鉄を回収する技術を開発し、その技術を 熱帯・亜熱帯の開発途上国に移転する ・環境ODAの実施を通じて日本企業の海外投資を...
米国のブラウンフィールド再生
- 定価 8,580円(税率10%時の消費税相当額を含む)
米国北東部・中西部の衰退工業地域(ラストベルト)では、1980年代から土壌汚染を抱えた工場跡地が遺棄され、深刻な都市問題となった。土壌汚染の存在が隘路となり「塩漬け」になった工場跡地は、「ブラウンフィールド」と呼ばれ、産業を失った工業都市の衰退を加速させた。そのため、ブラウンフィールドの再生は、1990年代以降の米国の主要な政策課題となり、現在に至るまで手厚い再生支援が展開されている。本書は、再生を支える政策と再生の現場である中小工業都市の取組を中心に、米国のブラウンフィールド再生の全容を描くも...
幕末明治初期の洋式産業施設とグラバー商会
- 定価 5,940円(税率10%時の消費税相当額を含む)
幕末から明治初期に建設された産業施設は近代日本の曙をつげる遺産であり、「明治日本の産業革命遺産」として高く評価されている。では、このような産業施設は19世紀の中後期、イギリスが世界各地へ進出していた国際社会においてどのように評価できるのか。 本書は、幕末明治初期の洋式産業施設における技術の移転について、イギリス商人グラバー商会の関与という視点から建築学的な考察をおこなったものである。研究の対象となる産業施設は、幕末の長崎居留地の茶再製場、奄美大島製糖工場、鹿児島紡績所、小菅修船場、大阪造幣寮の5...